『獺虎』を何と読む? 約9割の人が正解するも日本にいるのはわずか3頭…
プカプカと海面に浮かび、貝などの殻をお腹の上で割って食べる“海のカワウソ”とは…。
■「獺虎」は何と読む?
Sirabee編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「獺虎」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で89.5%の人が「らっこ」、27.3%の人が「りす」と読むと回答した。
「らっこ」と読む人は男性が88.7%で女性が90.4%。「りす」と読む人は、男性が11.3%、女性は9.6%という結果に。
■正しくは「らっこ」
「獺虎」の正しい読み方は、「らっこ」。食肉目イタチ科ラッコ属の哺乳類で、北太平洋の北アメリカ大陸から千島列島の沿岸にかけて棲息している。
「らっこ」という呼び名はアイヌ語でラッコを意味する「rakko」という音に由来すると言われている。英語名は「sea otter」で、直訳すると海のカワウソ。「獺」という漢字もカワウソを表しており、海にいるカワウソというイメージは共通のようだ。漢字には「獺虎」のほかに「猟虎」「海獺」という表し方もある。
■「りす」の漢字は「栗鼠」
一方の「りす」は「栗鼠」と書く。ネズミ目リス科に属する哺乳類の総称。一般に小型のイメージだが、体長10cm、体重わずか10グラム程度のアフリカコビトリスから、大きいものだと体長が70cm、体重が8kgにもなるアルプスマーモットまでさまざまな種類がいる。プレーリードッグやモモンガ、ムササビもリスの仲間だ。
「りす」の名は漢語の「リッス(栗鼠)」の発音が転じたものだと言われている。栗などの実を食べるネズミに似た動物ということで「栗鼠」という漢字を用いるようになったようだ。
■毛皮目的の乱獲により絶滅寸前に
ラッコは、お腹の上に石を乗せて貝や甲殻類の殻を割って食べる愛らしい姿で親しまれているが、その歴史は過酷だ。古くからその毛皮が利用され、銃による乱獲が行われた結果、カナダやアメリカではすでに絶滅した個体群もあり、20世紀初頭には絶滅寸前であったという。
日本国内でも以前は多くの水族館で大人気だったラッコだが、アメリカが輸出を禁じたことで新たにラッコを飼育する水族館がなくなり、現在では、マリンワールド海の中道(福岡県)にいる「リロ」、鳥羽水族館(三重県)にいる「メイ」と「キラ」の3頭のみになってしまったそうだ。できるだけ長く、元気な姿を見せてほしいと願うばかりだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)