「殺害予告メール2万通」の新藤かなさんに直撃 落選運動の対象にも
統一地方選挙の港区議選に立候補予定の新藤かなさんにインタビュー。殺害予告メールが選挙活動に影響しているほか、「落選運動リスト」にも名を連ねている。
今年は全国で地方自治体の首長や議員を選ぶ、4年に一度の統一地方選挙の年。前半は9日投開票、後半は23日が投開票だ。選挙ポスターが掲出され、駅前などで街頭演説が行われるなど選挙ムードが高まっている。
そんな中、民主主義への重大な挑戦とも言える犯罪行為が話題となっている。
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■港区議選の立候補予定者に…
被害を訴えているのは、東京・港区議会議員選挙に無所属で立候補予定の新藤かなさん。29歳だ。新藤さんは、2020年、当時のホリエモン新党から東京都議補欠選に立候補。アベノマスクをブラジャーにした選挙ポスターで大きな注目を集めた。
2022年の参院選には日本維新の会のスタッフとして参加し、今回の統一地方選についても公認の内定を受けていたが、昨年9月に辞退。無所属で立候補することとなった。
中学は女子御三家のひとつ・女子学院、高校はカナダに留学し、早稲田大学法学部を卒業している。
■殺害予告メールが2万通
そんな新藤さんに、1日から「殺害予告メール」が届き続けているという。4日付の東京スポーツが報じ、本人もSNSで報告している。Sirabee取材班は新藤さん本人に詳しく話を聞いた。
これまでもSNSなどで「死ね」などの罵倒を浴びせられたことはあるという新藤さんだが、今回のメールは「新藤かなを見かけたらナイフでめった刺しにする」という、かなり具体的なもの。
毎晩夜になると大量に届き始め、編集部が話を聞いた6日午後の段階ではすでに2万通を超えているという。おそらくは、数多くの人が送っているのではなく、少数の人間が自動送信プログラムなどを利用して大量投下している可能性が高い。
新藤さんはもちろん警察に相談済みだ。
■「選挙に立候補するから」
「思い当たる節はありすぎる」と語る新藤さん。とはいえ、それはあくまで誹謗中傷レベルまでの話。
SNSなどで自分の意見を包み隠さず発信してきた彼女は、それが理由で炎上したこともあり、上述のようにSNSユーザーから厳しい言葉を浴びることも少なくなかった。しかし、具体的な殺害予告を「ここまで言われるような私怨はないと思う」という。
「やはり、選挙に立候補するからではないか」と推測する新藤さん。告示を16日に控えているにも関わらず、昨年から続けてきた街頭演説など政策を訴える活動も、1日から5日までは中止に。
6日は、格闘家の友人らにボディーガードしてもらう形で、ようやく街頭活動を再開した。
■「安倍首相事件もよぎる」
「いたずらだろう、と済ませることもできますが、どうしても昨年の安倍(晋三・元首相)さんの事件が頭をよぎる」と顔を曇らせる。
選挙期間はわずか1週間のため、厳しい戦いを迫られることになる。政党からの立候補であれば、党職員など男性スタッフが警護にあたってくれるかもしれないが、無所属ではそうした支えもない。
できる限り一人での行動を避ける、防犯グッズ購入といった対策のほか、16日からの選挙期間中についてはボディーガードなどのボランティアも募集している。