娘2人を殺害した母親に懲役78年の実刑判決 犯行動機は「別れた夫を苦しめたい」
事件の通報者は、胸と背を撃たれた15歳の長女だった。非常に弱い声で「私たちはママに撃たれました。まだ死にたくないです」と告げたという。
アメリカ・バージニア州で、別れた夫への憎しみから恐ろしい殺人事件が起きていた。自身の2人の娘を驚きの理由で殺害した女に対し、このほど厳しい判決が下ったことを『WUSA9 News』『NBC News』ほかが報じている。
■15歳と5歳の娘を射殺
2018年8月のバージニア州フェアファックス郡のマクリーンで、ヴェロニカ・ヤングブラッドという37歳の女が2件の第一級殺人容疑で逮捕・起訴されていた。
殺害されたのは、被告の長女で当時15歳のシャロンさんと次女で当時5歳のブルックリンさん。
夫のロン・ヤングブラッドさんの携帯電話には「娘たちを殺した。これから自殺する。あなたなんて大嫌い。さようなら」というボイスメッセージが残されていた。
■父親と暮らすことを望んだ娘
ヴェロニカ被告と夫のロンさんは、事件の前に離婚していた。幼いブルックリンさんは愛情深いロンさんと暮らすことを強く望み、ロンさんは娘2人を連れてミズーリ州に転居することを検討した。
娘に嫌われた怒りとロンさんへの憎悪の感情を募らせた被告は、彼が最も嘆き苦しむことは何かと思案。引っ越しの日が決定すると、その数日前に2人の愛娘を殺すというあまりにも残酷な復讐に出たのだった。
■撃たれた長女が911番通報
その裁判が、このほどついに結審した。陪審員はヴェロニカ被告に有罪の評決を下し、続いて裁判官が殺人罪1件につき懲役36年、計78年の実刑判決を言い渡した。
自身の娘を銃で射殺するという狂気性が、社会に大変な波紋を広げたこの事件。
長女のシャロンさんは胸と背を撃たれながらも必死に911番通報をし、非常に弱い声で「私たちはママに撃たれました。まだ死にたくないです」と告げた。ブルックリンさんは即死し、シャロンさんは搬送先の病院で数日後に亡くなっている。
■心神耗弱は否定される
弁護側は、被告が「大うつ病性障害」と診断されていたことを一貫して強調。抑うつ、食欲、睡眠、認知機能などの障害、そして「子供を殺し、お前も自殺しろ」と命じる声が聞こえるなど、幻聴に苦しんでいたと主張していた。
ただし被告は、娘たちが騒がないよう催眠作用のあるグミを購入して与えていた。
また、銃器を購入した際の様子や、弾の充填や使用方法の的確さなどから、陪審員は1日がかりの評議を経て「犯行は周到な計画に基づくもの。心神耗弱の状態にはなかった」と判断したという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)