「Colabo支援」都庁前デモに仁藤夢乃氏は現れず 激化する分断と対立の行方
「バスカフェ」中止をめぐって東京都庁前で行われた街宣活動。記者が気になった問題点とは。
■警察官は中立
雨が降る中にも関わらず、現場には複数の警察官が駆けつけ、トラブルが起こらないようにColabo支援者・反対派の両方を制止していた。
警察は私設のボディーガードではないため、違法行為がない限り「Colabo支援者だけを守る」ということはなく、事件に至らないよう間に入っているように見えた。
ところが、警察官が支援者におそらく上記のような意味で「警察はあなたたちを守るのではない」と発言したところ、支援者サイドがヒートアップ。マイクを握る人からは「警察官が男性だからでしょうか」といった発言まで飛び出した。
男性に限らず女性警察官であっても、同じ対応をしたのではないだろうか。
東京都の担当部署から遺憾の意を表され、溝が深まっているように見えるColaboだが、同じく都知事が所轄する東京都公安委員会や警視庁とも対立を深めているような構図が見受けられる。
【関連】自民・宮川典子衆院議員が死去 熱く語ったPMS・教育改革への思い
■強く感じさせられる「分断」
短いながら街宣活動を取材し覚えた違和感は、総じて「分断と対立」を煽るような言動に対してだったのではないか、と思われる。
昨今、多様性(ダイバーシティ)と同じ文脈でよく使われる包摂(インクルージョン)という考え方の反対で、「警察官が味方しないのは男性だから」「反対派による撮影は許さない」といったような。
これは、反対派の火に油を注ぐだけでなく、社会の大半を占める中間派を遠ざけてしまうのではないかと危惧せざるを得ない。
■真に被害者のために
代表の仁藤氏がSNSなどでしばしば発信する「キモい」「キモいおじさん」といった攻撃的・侮蔑的なメッセージは、分断を煽る代表的な一例だ。
Sirabee編集部が今年1月に実施した調査では、「キモいおじさん・キモいおばさんはどちらもヘイトスピーチだと思う」との回答が6割を超えている。なお、29日の街頭活動では、この言葉が連呼される場面はあまり見られなかった。
分断・対立を乗り越えて、若年被害女性のためになる活動とは何なのか。Colabo関係者や支援者だけでなく、自治体や社会全体にもあらためて問われている。
・合わせて読みたい→colabo問題、「辻褄あわない」データを独自に見つけた議員から公開質問状
(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)