『海象』を何と読む? 6割以上の人が正しく読むも正解は1つではなかった
『海象』という漢字で表されるのはいったいどんな生き物なのだろうか。
■「海象」は何と読む?
しらべぇ編集部が全国の10代~60代の男女1,000名を対象に「海象」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で67.0%の人が「せいうち」、33.0%の人が「いるか」と読むと回答した。
「せいうち」と読む人は男性が63.8%で女性が70.3%。「いるか」と読む人は、男性が36.2%、女性は29.7%という結果に。
■正しくは「せいうち」
「海象」の正しい読み方は、「せいうち」。食肉目セイウチ科の海生哺乳類で、おもに北極圏の沿岸地帯および流氷域に生息している。
「せいうち」は、ロシア語で「トド」「アシカ」を意味する「sivuch(シヴーチ)」の音が変化したものと言われている。その読み方に漢名からきた「海象」という漢字が当てられたもので、こちらは、牙があるところが象に似ていることからついた呼び名だと言われている。
■「いるか」の漢字は「海豚」
「いるか」は「海豚」と書く。クジラ目ハクジラ類の小型種(厳密な区別はない)の総称。漢字の「海豚」は中国語から来ており、海に住む豚に似た生き物という意味だ。
「いるか」の語源は、海面に頭を出し入れすることから「イリウク(入浮)」が転じたとする説、よく入り江に入ってくるので「イルエ(入江)」が転じたとする説、「イル」は「イヲ(魚)」で「カ」は食用獣をいう語とする説など諸説あるという。
■“海洋の自然現象の総称”という意味も
ところで、「海象」という漢字には「かいしょう」という読み方もあるようだ。「かいしょう」と読む際にはその意味が変わり、“海洋の自然現象の総称”を指す。海に限らず、“大気中で起こる自然現象”を表しているのが気象で、風や波の高さ、潮位などの海に関する現象が海象ということのようだ。
あまり聞き慣れない言葉だが、国土交通省では気象と同様に各地の観測所で海象の観測を行い、ホームページで公開するなどしている。マリンスポーツや海辺の行楽を楽しむ際には、事前に確認しておくと安心かもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)