人工知能研究の世界的権威が自信を持って提唱 「AIにより2030年までに不死を達成」
不老不死が可能になる頃には、知能が必要になるあらゆるシーンでAIが活躍しているだろう。 人間は物を考える必要もなくなり、体には老いや死が訪れなくなるのだろうか…?
AI(人工知能)技術の発展で10年ほど前から、「弁護士や医者よりコンピュータのほうが素早く正しい判断を下すようになる」という考え方が関心を集めていた。
最新のAI技術を駆使したマイクロボット(マイクロロボットとも)と、さらに極小ナノサイズのナノボット(ナノロボットとも)の開発も着実に進んでいるそうだ。
そんななか、AI研究の世界的権威でもあるアメリカの発明家で未来学者のレイ・カーツワイル博士が、「2030年までに不死が可能になる」と発表。動画も話題となっていることを『IFL Science』などが伝えた。
■健診も治療も素早く的確に
遺伝学、ナノテクノロジー、ロボット工学の研究者であり、著書『The Singularity Is Near』も好評のカーツワイル博士。
彼はしばらく前から、注射で体内に送り込んだ大量のナノボットが脳機能マッピングを行うようになれば、人間の認知機能や知的活動はぐんとアップすると主張していた。
同様に、血液での健康診断や患部に薬を投与することが速やかになり、それは血液中をめぐってから患部に到達する静脈注射より素早く、効率的だと説いてきた。
■世界各地で進む開発
実際のところ、2018年には香港中文大学の研究チームが、医学部の協力を得てナノボットを遠隔操作する技術を開発。ナノボットたちは、複数の群れとなってそれぞれ異なるミッションを与えられ、遂行することになると発表していた。
また、2019年に0.07ミリのマイクロボット(マイクロロボットとも)の開発に成功していたペンシルバニア大学・電子工学部の研究チームは、センサー、タイマー、コントローラーを搭載し、ソーラーパネルにレーザー光で電力を供給するシステムを明らかにしていた。
■「不老不死」は人類の夢だが…
カーツワイル博士は、ナノボットにより細胞レベルでヒトの体を修復すれば、強い免疫システムを備えることすらできるという。役目を終えたナノボットの安全な回収は課題のひとつだが、将来的にはガンの腫瘍も標的にできるだろうというのだ。
だが実現と普及のためには、患者の側にもAIやコンピュータを全面的に信頼し、新たな医学として受け入れる姿勢が必要になる。「親切な医師に体の不調を聞いてほしい」という感情を、抑える必要がありそうだ。
■考える必要のない日常生活に
なお、不老不死が達成可能になるその頃には、知能が必要になるあらゆるシーンでAIが活躍しているとカーツワイル博士は予想している。
そうなると人は徐々に脳で考える必要がなくなってくるが、一方で体には老いや死が訪れなくなる。人々の人生観、死生観は大きく変わり、日常生活もかなり大きな変貌を遂げていることだろう。
■不老不死の時代はすぐそこに
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)