「地下鉄サリン事件」から28年 “若者が知らない”テロ…風化防止を願う声
「地下鉄サリン事件」の発生から28年を迎え、警視庁が改めて呼びかけ。当時を記憶する人からは生々しい声も。
95年に発生した「地下鉄サリン事件」から28年を迎えたきょう20日、ツイッターでは、当時を振り返る人や、事件が風化しないように呼びかける人など、さまざまな声がみられた。
■95年3月20日に発生
地下鉄サリン事件は95年3月20日の午前8時ごろに発生。営団地下鉄(現・東京メトロ)の丸ノ内線、日比谷線、千代田線の5つの車両内で宗教団体のオウム真理教によって神経ガスのサリンが散布され、乗客や駅員13人、後に乗客1人の計14人が死亡、6,000人以上が負傷した無差別テロ事件だ。
この事件を受け、「サリン等による人身被害の防止に関する法律」が制定され、一時駅構内からゴミ箱が撤去されるなどの影響があった。
■駅に献花台、黙祷も
事件が発生したのと同じきょう20日、多くの被害者が出た東京メトロ霞ケ関駅では黙祷が捧げられ、小伝馬町駅や八丁堀駅、中野坂上駅などに献花台が設置された。
警視庁広報課の公式ツイッターは「オウム真理教は28年前のきょう、地下鉄車内に毒ガス・サリンを撒き、13人が死亡、5,800人以上が負傷する無差別大量殺人テロを引き起こしました。オウム真理教は、今も名前を隠して若者を勧誘し続けています」と呼びかけている。
■当時を生々しく振り返る声
ツイッターでも「地下鉄サリン事件」のワードがトレンド入り。
当時、実際に事件の前後に地下鉄に乗車していたという人から「霞ケ関駅の手前で『本日、霞ケ関駅には停車しません』の車内アナウンス。ホームを通過する際に見えた消防服の隊員」「手前の駅で降ろされ地上に出たときの光景は今でも覚えている」「洗浄後の霞ケ関ホームから漂う妙なにおいが忘れられない」と生々しく振り返る声があがった。
■「風化させてはいけない」
また、事件発生から28年が過ぎたことで、「自分が生まれる前のことだからよく知らないんだよな」「当時生まれた人がもう28歳です。この事件を知らない人も多くなりますよね」「あの一連の出来事を知らない大人が世の中にたくさんいるんですね」との声も。
事件の風化を危惧し、「若い方を中心にあまり知られてないようだけど、市中のテロ行為としては世界最悪なことなんだよな」「こんなに経っているということは、わかるのは30代後半くらいからということ…こんな事件で突然人生を奪われるなんてことがもう2度と起こりませんように」「被害に遭われて未だに苦しんでいる人がいるあれだけの事件を知らない世代が増えていく。絶対に風化させてはいけない」と願うコメントも寄せられている。