800年前のミイラを「彼女」と呼び連れ歩く男 文化財保護法違反で逮捕
恋人にしていたミイラを没収されてしまったフードデリバリーの男。今後は寄贈先の博物館に会いに行くしかないだろう。
恋人に求めるものは人それぞれ、何に恋するかは個人の自由だ。生身の人間はもちろんだが、人形や風船など何かしらの物体であることも…。
そんななか、ミイラを「彼女」と呼ぶ強者が現れ、世間を仰天させていることをイギリスの『The Sun』や『Daily Mail』が報じた。
■警察がリュックを確認すると…
インカ帝国の始まりの地として知られるペルーのプーノ市で先日、フードデリバリーの配達員として働くフリオ・シーザー・ベルメホ(26)という男が、警察に逮捕された。
フリオは、古代の遺跡を見渡せるマンタロ・ビューポイントで、ビールを飲み酔っ払っていたという。犯罪歴も怪しい点もなかったが、警察は仕事に使う赤い大きな保冷リュックを、念のため確認することにした。
■「僕の彼女なんです」
すると、リュックの中には一体のミイラが、体を折り曲げるようにして入っていた。驚いた警察官がその正体と理由を尋ねると、フリオは「彼女の名前はフアニータ。僕のプラトニックな恋人なんです」と答えた。
さらに「出かける時は彼女をリュックに入れ連れて行き、リビングでも寝室でもどこでも一緒。ベッドも共有している」と話したという。
■ミイラは男性だった
フリオによると、「過去に博物館に寄贈されるという話が白紙撤回になり、哀れに思った父親が約7万1,000円で買い取った」そうだ。その後、30年以上も実家に家族の一員として置かれていたことを明かした。
警察はミイラを押収して国の文化省に引き渡し、専門家が調べたところ、800年ほど前の遺体であることが判明した。さらにミイラは女性ではなく、45歳前後、身長約150センチの男性であることも分かったという。
■男と友人を逮捕
警察はミイラをペルーの文化遺産と捉えるべきだとし、文化財保護法違反の罪で、フリオとその場にいた友人2名を逮捕。事件の調査は続いており、全員がいまだ留置所に拘留されている。
押収されたミイラは保存状態が良好だったことから文化省が引き取り、いずれはどこかの博物館に寄贈、展示される予定だ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)