『海驢』って何と読む? 約半数の人が違う生き物と勘違いしていた
海の生き物というイメージは浮かぶけれど、あれかな? それとも、これかな…。
魚や動物の名称には難読漢字が多い。なんとなくイメージは浮かぶけれど、果たして合っているかどうか自信がないというものも多いのではないだろうか。
■「海驢」は何と読む?
しらべぇ編集部が全国の10代~60代の男女410名を対象に「海驢」の読み方に関する調査を実施したところ、全体で49.4%の人が「あざらし」、50.6%の人が「あしか」と読むと回答した。
「あざらし」と読む人は男性が48.3%で女性は50.5%。「あしか」と読む人は、男性が51.7%、女性は49.5%という結果に。
■正しくは「あしか」
「海驢」の正しい読み方は、「あしか」。ネコ目(食肉目)鰭脚類(ききゃくるい)アシカ科の海棲生物で、広くはオットセイやトド、オタリアなども含まれる。
その頭が角のないメスの鹿に似ていることから、海に住む鹿「海鹿(あましか)」が転じて「あしか」となったという説が有力なようだ。ちなみに、「驢」は「ロバ」のことで、漢字には“海に住むロバ”という意味がある。
■痣のある獣というのが由来
「あざらし」は「海豹」と書く。ネコ目(食肉目)鰭脚類アザラシ科の海棲生物で、アイヌの言葉では「トッカリ」と呼ばれていたそうだ。
海豹の体には黒い斑点上の模様が見られるが、これを「痣」と呼び、「痣のある獣」という意味で「あざらし」と呼ばれるようになったという。漢字の「海豹」は、“海に住む豹”という意味で、やはりその模様が由来となっているようだ。
■「海驢」と「海豹」の見分け方
「海驢」と「海豹」は漢字も間違えやすいが、その姿かたちも似ているため、混同している人もいるのではないだろうか。
「海驢」は、大きな前足で体を持ち上げ陸上を移動でき、水の中でも前足をオールのように使って羽ばたくように泳ぐ。一方の「海豹」は、体に対して前足が小さく体を起こすことができないため、陸上を這うようにして移動し、水中でも前足ではなく後ろ足を左右に振りながら泳ぐ。
また、耳の形でも見分けることができる。「海豹」には耳介の突起がなく穴が開いているだけなのに対し、「海驢」には耳介の突起がある。水族館を訪れる際は、こういった違いにも注目してみると、より一層楽しみが増すのではないだろうか。
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(取材・文/Sirabee 編集部・ゆきのすけ)