自転車で15000キロの世界横断を完遂した男たち 大冒険に「若いって素晴らしい」
発展途上国で目の当たりにする過酷な現実。それが若者の人生観を変えることも多い。
「若いうちは何でもできる」「若い時にいろいろな経験を」とはよく言うが、その若さはあっという間に過ぎ去ってしまう。そんななか、フィンランドの若者二人が約1年間をかけて自転車で世界を横断したことを、シンガポールの『AsiaOne』などが報じている。
■いざ出発
フィンランドのヘルシンキに暮らす、ヴァルッテリ・ヘイニラさんとアルヴァリ・ポイコラさん。ふたりが世界を自転車で巡る旅に出発したのは、昨年6月18日のことだった。
Instagramには、ロードサイクリング用の自転車の写真とともに「両親や友達に『行ってきます』をしてきたよ」と綴られている。ふたりの最初の目的地はエストニア。続いてインド、ルーマニアやタイなどを訪れ、旅の記録を重ねていった。
■「忙しい日常を忘れたかった」
そしてついに今年1月18日、最終目的地のシンガポールにて「やり遂げたよ!」と旅の無事終了を報告。走行距離は計1万5,400キロメートルにも及び、21ヶ国を245日間かけて巡ったそうだ。
元からサイクリングが趣味だったという二人は、旅に出た動機を「忙しい日常を忘れて、何か冒険をしたかったんだ」と明かしている。「心を清めてゆったりした時間を過ごし、今を大切に生きる。そして肉体的にも精神的にも自分自身に挑戦したかった」のだという。
■貧富も目の当たりに
しかし旅は、楽しいことばかりではなかった。キルギスタンとタジキスタンの国境付近では銃撃戦が起こり、道路が閉鎖に。事情を説明し当局と交渉するなど、緊張する場面に幾度か遭遇した。
タジキスタンは国土の9割が山岳地。道路もインフラもなく、空気も薄いため酸欠になることもしばしばで、治安も悪いうえ政治や経済も安定しておらず、貧富の差について強く考えさせられたという。
■喜びと感謝を忘れずに
旅を終え、ヴァルッテリさんたちには気付いたことがいくつかある。それは「何も期待しないこと」と「アクティブでいること」、そして「喜びと感謝を忘れないこと」だそうだ。
旅の途中で出会った見知らぬ人たちはみんな親切だったそうで、人の優しさに接するうちに「謙虚になることを学んだ」とも話している。
ふたりの旅について、コメント欄には「若い時をもっと楽しめばよかった」「できることはできるうちに」といった声が届いている。
■若者二人の自転車旅の様子
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)