現代美術展でアート作品が破裂 風船に見えて風船でないことに世間も仰天

アート作品について「材料費ではない。芸術性で価値が決まる」と言う人は多いが…。

2023/02/25 17:30

バルーンアート・プードル・風船

アメリカ・フロリダ州で開催された現代アート展で、有名なアーティストの作品が破裂するアクシデントが発生した。風船に見えてじつは風船ではない、大変な価値があることを『COMPLEX』『NEW YORK TIMES』ほかが報じている。

■【画像】525万円の価値があるというバルーンアートの犬


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■女性が触れて破裂

フロリダ州マイアミで、2月16日から19日まで開催された『Art Wynwood』という美術展には、全米の50以上のギャラリーから作品が出展される。そんななか、VIP向けプレビュー・イベントが行われた16日にアクシデントが発生した。

1994年から2000年まで、「風船でできた犬」を金属を用いて表現する独特の作品を多々手掛けてきた、アメリカ国籍のジェフ・クーンズ氏(68)。その作品に、中年の女性が触れて壊してしまったという。

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■565万円の評価額

ニューヨーク・タイムズによると、作品の名は『Balloon Dog』。高さ約40.6センチ、長さ48.3センチで光沢のある青色をしていた。

この作品は、欧米に20ヶ所以上のギャラリーを展開し、多数の現代アート作品を扱う「Bel-Air Fine Art」のマイアミ・ギャラリーに展示されていた。なんと4万2,000ドル(約565万円)もの価値があるそうだ。


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■女性は謝罪し損害請求は保険会社へ

アクシデントが発生したとわかると、スタッフはほうきとちりとりで砕け散った破片をさっと片付けた。当日はアーティストやコレクターなど関係者が多数詰めかけていたが、気づいた人はそう多くないという。

「Bel-Air Fine Art」マイアミ・ギャラリーの責任者であるセドリック・ボエロ氏は、そのアクシデントを知ってショックを受け、「人生が 15分間止まったような気がした」と吐露。女性は何度も謝罪して会場を後にしたといい、破片を元にこれから損害保険金の請求を行う予定だ。


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■78億円も支払う人が現れ…

単なる風船だと思っている人々からは「なぜそんな額の保険が下りるのか。現代アートの価値は理解できない」といった声もあがっていたが、このアクシデントでじつは金属製のアートだったことがわかり、改めて世間を驚かせている。

じつは2013年、あるコレクターがオレンジ色の大型の作品を78億円もの値で買い取ったことで、クーンズ作品の価値はいきなり上昇した。作品数が799から798に減ったことから、残りの作品について価値がさらに上がることが予想されるという。

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■破裂したバルーンアートの犬

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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