BreakingDown会場「ガラガラ」の異常 なぜ空席目立つ事態になったのか
話題呼んだ「ブレイキングダウン」の興行。一方で、ネットでは「会場がガラガラ」という指摘が相次いでいたが、現地はどんな状況だったのか。
19日に千葉・幕張メッセで開催された格闘技イベント「BreakingDown7(ブレイキングダウン7)」。ネット上で大人気を博すイベントだが、その中継が始まると「会場ガラガラ」「空席目立つ」という声がツイッター上で飛び交った。実際に現場ではどんな光景が広がっていたのか。
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■たしかに空席が…
試合開始30分前である11時30分に、記者が現場入りすると会場にはまだまだ空席が目立つ状態。およそ5割くらいの客入りで、小学生の頃からプロレス興行に通い、総合格闘技、女子格闘技を取材してきた身からすると、「もう始まるのに大丈夫かな」と思う心境はたしかにあった。
そして第1試合(フェザー級65kg以下)、ぬりぼうvs本多スイミングスクール戦が開始される頃、客席を見ると6割程度。少し増えた印象だ。しかしツイッターでは「ガラガラじゃん」「空席目立つな」という声が未だ収まらなかった。
最終試合である第33試合(無差別級スペシャルワンマッチ)安保瑠輝也vsシリル・アビディ戦の頃には約8割ほどの席が埋まっていたが、ほぼすべての席が埋まっている状況はこの日一度として無かったのが事実だ。
■チケットが高すぎた?
過去最大規模の会場に加え、最安のA席で15,000円、最高額のスペシャルリングサイド席であるVVIP席が500,000円という値段に「高い」という声がネットでも上がっていたが、同団体広報担当者に聞くと、「チケットは完売状態」とのこと。ファンはたしかに会場に入っていたのだ。
ではなぜ席が空いていたのか、会場で取材をしていた格闘技記者は「開催時間の長さが原因と思います。ブレイキングダウンは1試合原則1分という試合時間もあって、カードが多く用意されます。全33試合という数は異例で、選手各自がSNSで発信し人気を高めてきたという構図から、“推し”の選手の試合と、その前後の試合だけを見て帰ったケースも多かったのでは」と推測する。
■8時間近い長丁場とあり
たしかに、当日はおよそ8試合ごとに10分程度の休憩時間が設けられており、そのタイミングで数十人のファンが会場から出ていく姿が見られていた。一方でもう一つの入り口からはぞろぞろと新たな来場者が。
「これまではRIZINやK-1など、興行そのものを推すのが格闘技ファンの楽しみ方でしたが、ブレイキングダウンは選手の個性がかなり際立っているので、いわゆる“箱推し(グループ推し)”から“個人推し”になっているのだと感じます。全試合見どころはありますが、ファン層が格闘技に関してはライトなので、約8時間の興行のうち見る試合、見ない試合の取捨選択を行ったのだと思いますね」と前出の格闘技記者。
■会場ならではの魅力
会場には選手と記念撮影できるブースがあり、直前の交通事故で欠場した飯田将成や、試合前のこめお、ポーランドの刺客、“胸毛ニキ”こと八須拳太郎らが随時登場すると、またたく間に数百人の男女ファンが列を成した(正確に描写すると、八須の時だけは男性ファンばかりだったが)。
試合直前や、欠場選手がファンサービスに精を出す光景は他団体ではまず見られないシーンであり、そんな点はブレイキングダウンの良い意味での“敷居の低さ”ともいえるし、ファンを飽きさせないための試みだったとも思える。
会場にいた記者の一人として、ガラガラ=魅力がない興行ということではなかったと捉えたい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤)