「ドッペルゲンガー殺人事件」が発生 なりすますためSNSでそっくりさんを探し…
女性は抱えているトラブルをなかったことにするため、別人になりすますことを計画した。
ドイツで昨年の夏、駐車場に停められていた車から若い女性の遺体が発見された。当初、被害者は車の所有者だと考えられたが、実は別人だった。遺族も世間もその後に逮捕された女の写真に仰天したことを、『NEW YORK POST』『NBC News』などが伝えている。
■車にめった刺しの遺体
昨年8月中旬、ドイツのミュンヘンから北に80キロほど離れたバイエルン州のインゴルシュタットで、駐車中に停められていた車から若い女性の遺体が発見された。体を50回以上刺されたことによる失血死だった。
警察は被害者を車の所有者であるシャラバン・K(23)とみて、遺体の確認を両親に依頼。ところが彼らは「そっくりだが、ちょっと違う気もする」と口にし、司法解剖でそれが証明された。
■別の州で行方不明の女性が
インゴルシュタット市の警察は、その後にバーデン=ヴュルテンベルク州のハイルブロン市で、カディージャ・Oさん(23)という女性が行方不明であることを突き止めた。遺体と照合したところ特徴が完全に一致したという。
一方、シャラバンの行方もわからなくなっており、家族は「大きなトラブルを抱えて悩んでいた」と説明。警察はその追跡をスタートした。
■得な話でおびき出す
そして事件から半年近くになる今年の1月30日、警察はついにシャラバンを発見。シェキール・Kという男友達と一緒に暮らしており、事情聴取を行ったところ両者とも事件に関与していたことがわかり、殺人の疑いで逮捕した。
シャラバン容疑者は警察の取り調べに、「Instagraで美容ブロガーのカディージャさんを見つけ、コスメを得に入手する方法を持ち掛けて会うことに成功した」と供述した。
■自分を死んだことにしたかった
シャラバン容疑者は「誰もが私のことを死んだと思い、私はカディージャになりすまして新しい人生を始める。そうすれば、これまでのトラブルをなかったことにできると思った」と話している。
彼女は複数のSNSから自分と体型、髪色、顔立ちがそっくりな若い女性を探し出し、最終候補の数名からカディージャさんを選び、犯行に及んでいた。この事件について、ドイツではほとんどのメディアが「ドッペルゲンガー殺人事件」と命名して伝えている模様だ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)