ダイソーで出会った謎の紙、予想外な前世に目を疑う… 「素晴らしい試み」と話題

ダイソーで発見した折り紙。予想だにしなかった「意外すぎる原材料」に、称賛の声が寄せられており…。

■千羽鶴の「焼却状況」に驚き…

今回の取材を快諾してくれた広島市「市民局国際平和推進部平和推進課」では、日本国内および世界各国から捧げられる折り鶴の数を「年間約1千万羽」と発表している。

広島市の千羽鶴
(情報提供:広島市)

折り鶴の「再生利用」や「リサイクル」に関する話題を出したところ、これらに対しては「昇華」という表現が使用されていると判明。

広島市の千羽鶴
(情報提供:広島市)

「折り鶴を捧げた人々の平和を願う思いが、様々な過程を経て、広島市民をはじめ世界の多くの人々の心に刻まれ、核兵器廃絶と世界恒久平和を願う輪が広がり、さらに、新たな『思い』として継承される方策」としての「昇華」が定められたのは2012年からのことで、広島市では千羽鶴の再利用(昇華)をめぐり、様々な試みを実施しているのだ。

広島市の千羽鶴
(情報提供:広島市)

今回話題となったDAISOの商品『peacepiece』も、こちらの粋な取り組みの実例というワケである。なお「昇華」を導入して以降、千羽鶴の「焼却処分」は実施例がないそうなので、千羽鶴を送った経験のある人は、安心してほしい。


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■地元企業の「情熱」が市を動かした

千羽鶴の昇華

続いては、広島市と提携しての千羽鶴再生事業に着手した企業としては初となる「木野川紙業株式会社」に詳しい話を聞いてみる。

広島出身の同社代表は、小中学校時代から広島市が推進する平和教育を受けて「広島で何か、平和へのお手伝いができないか」と常々考えており、じつは広島市の「昇華」に先駆けて地元の新聞社や印刷会社と協力し、折り鶴の再生利用について提案していたのだ。

千羽鶴の昇華

その甲斐あって同社の提案は広島市に承認され、12年10月より折り鶴再生紙「平和おりひめ」を販売開始。収益金の一部は毎年、広島市の平和貢献事業に寄付しているという。

平和おりひめ

担当者から寄せられた「紙には電子メールでは味わえない温かさ、ぬくもり、優しさがあり、紙だからこそ伝わる思いがあります。そうした紙の力を通して『平和おりひめ』のこうしたコンセプトを、1人でも多くの方々に伝えていきたいです」というコメントが印象的であった。

平和おりひめ

なお、取材担当者の名刺を確認したところ…こちらでも「平和おりひめ」が使用されていることが判明。折り鶴の昇華に対する同社の真剣なスタンスが、ヒシヒシと伝わってきた瞬間であった。

名刺

広島市では被爆70年に当たる15年度より、私立の幼稚園、学校で授与する卒園・卒業証書にて、折り鶴の再生紙を使用しているそうだ。


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■広島企業の「誇り」が感じられる

最後に、広島の千羽鶴が改めて注目を集めるきっかけとなったDAISOの『peacepiece』について、大創産業に話を聞いてみる。

同商品の取り扱いが始まったのは、22年9月ごろからで、開発経緯について担当者は「取引先より『折り鶴の再生紙を作っている工場がある』とのお話を頂いたのが始まりです」と振り返る。

やはり、広島県内に本社を置く企業だからこその思い入れがあるようで「広島発祥だからこそ販売する意味があると強く感じたため、早速商品の開発を行なうことにしました。その際、人の想いがこもった紙を使用することになるので『人に贈るものでの商品化にしよう』と決まりました」とも補足してくれたのだ。なお、同商品は売り切れ次第終了となるため、興味がある人は早めにチェックしておこう。

千羽鶴は決して実用的な存在ではないため、TPOを考慮して贈るべき…という意見を決して否定はしない。かと言って人から人に贈られる「思い」や「気持ち」という存在を「単なる自己満足」と断定し、ばっさり切り捨てる考え方にも疑問が残る。

コロナ禍にあって人同士の繋がりが希薄になってしまった昨今だからこそ、新しい姿で生きる現代の千羽鶴から学ぶことはきっと多いはずだ。


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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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