重病の夫に「もしもの時は死なせて」と頼まれ殺害した妻 後を追えず病室に立てこもり
夫の体調悪化により、妻はひどいうつ状態に苦しんだ。
病気を患い、末期の状態に陥った高齢の夫の「病状が悪化する前に死にたい」という願いを叶えた妻が、逮捕された。精神的に不安定だった妻の行動、夫との約束、そして事件発生までの経緯を、『The Mirror』など海外メディアが伝えた。
■70代夫婦が交わした約束
アメリカ・フロリダ州で暮らしていたジェリー・ギランドさん(77)は、重病を患い末期の状態にあった。
今から約3週ほど前には妻(76)と話し合い、「僕の状態がどんどん悪くなるようであれば、どうか死なせてほしい」と懇願。妻はその思いを受け入れ、もしもの時にはジェリーさんと一緒に死のうと本気で考えるようになった。
■死ねなかった妻
ジェリーさんの病状がさらに悪化したことから、先日妻は病室に銃を持ち込み一緒に命を絶つことに。まずはジェリーさんに銃を握らせて自殺を見届けてから後を追おうと考えたが、衰弱したジェリーさんには自分で銃を撃つ力も残っていなかった。
そこで妻は銃を持ち、午前11時30分頃に発砲。銃弾を受けたジェリーさんが亡くなったことを確認し自分も死のうとしたが、どうしても自殺することはできなかった。
■病室に立てこもることに
ジェリーさんを射殺した後、妻は4時間にわたって病室に立てこもり退室を拒否。その間に病院職員たちは同じ病棟の患者たちを避難させたが、人工呼吸器をつけた重症患者ばかりだったため困難を極めた。
しかし妻は、病院職員や他の入院患者を脅すような行動はまったくしなかった。ただジェリーさんが息絶えた病室にこもり、ひたすら悲しみに暮れていたのだ。
■逮捕された妻の精神状態
午後3時30分には警官隊の説得に応じて出てきたが、ジェリーさんの病状悪化でうつ状態になっていた妻はひどく動揺し、取り乱していたという。
当局もこの件については妻を批判する声明は発表せず、「本人はとても悲しんでいる」「大変つらい状況だ」といった説明にとどめた。
愛する夫の最後の願いを叶えるため必死だったとみられる妻に、同情する声も少なくはない。ジェリーさんが自分の希望を明記した遺書を残していたかなどは、報じられていない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)