巧みな電話詐欺に騙され失意の少女 「14歳の頃から貯め続けた330万円が…」
マイホーム購入を目指して熱心に貯金を行ってきた少女が、1日で全財産を失ってしまった。
14歳の頃から必死に貯めてきたお金を、一瞬で騙し取られてしまったという18歳の少女が、巧みな電話詐欺への注意を促している。詐欺相手は、少女が利用していた銀行の電話番号を使って連絡をしてきたという。
少女が語った一部始終を、『NEW YORK POST』や『news.com.au』などの海外メディアが取り上げている。
■マイホーム購入を目指して
オーストラリアに住む18歳のオーロラ・カシラさんは、14歳の時に初めて非正規雇用の仕事を得てから、マイホームを購入するために必死で働いてきた。
3つの仕事を掛け持ちしたこともあるほど熱心に貯金を行ってきたオーロラさんだが、ある日利用していたNAB銀行(オーストラリア・ナショナル・バンク)から、「あなたの口座から、誰かが不正に送金しようとしています」というショートメッセージを受け取った。
メッセージには、続けて「送金を承認していない場合は以下の番号に電話してください」と書かれていたという。
■リアルな銀行を装い…
じつはこれは、詐欺師による偽のメッセージだった。正当な電話番号を装ってメッセージする手法は、詐欺師がよく使うものだという。しかしながら、NBA銀行からの連絡だと信じてしまったオーロラさんは、慌ててその番号に電話をすることにした。
電話をかけると、NAB銀行とまったく同じ呼び出し音と、同じ音声案内が流れた。その上、電話がスタッフに繋がるまで約1時間を要したといい、そのことがよりリアルな銀行らしさを演出していたという。
■礼儀正しい男性と会話
オーロラさんはその後、イギリス英語訛りの「プロフェッショナルな話し方で礼儀正しい」男性と会話をし、見知らぬ誰かによる不正なアクセスを止めるために、今持っているお金を別の口座に移動させるよう説明されたという。
オーロラさんは男性の会話を信じ、彼女の全財産である約330万円を振り込んだ。ところが、振込が完了した瞬間から相手と連絡が取れなくなり、オーロラさんは自分が詐欺被害に遭ったことを直感したという。
■詐欺被害への注意
オーロラさんは、本物のNBA銀行に助けを求めたが、残念ながらNBA銀行ができることはなかった。同銀行は、善意で2,000オーストラリアドル(約18万円)を提供することを申し出たが、オーロラさんはこれを断り、自分でまた最初から始めることを決意したそうだ。
彼女は、メディアの取材に対して「まさか自分にこんなことが起こるなんて信じられず、とても悲しい」「他の人に同じことが起こらないように、注意喚起をしていきたい」と語っている。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)