心臓移植を受けるため病院を目指すも悪天候で移動できず 男性患者が心境吐露
元気になり、子供たちの成長を見届けたい。男性はそう願っている。
「適合する心臓があります」「今から病院に来てください」という連絡を受け飛行機に乗ったが、引き返すはめに…。それでも再びのチャンス到来を信じ前向きに生きる男性について、『KING 5』などアメリカのメディアが伝えている。
■待っていた知らせに感激
アメリカ・アラスカ州で暮らす7児の父パトリック・ホランドさん(56)は心臓の状態が極めて悪く、ドナーからの臓器移植を希望していた。
そんなパトリックさんがワシントン州のメディカルセンターから連絡を受けたのは、12月22日。「あなたに適合する心臓が見つかりました」「8時間以内にこちらに来てほしい」と言われたパトリックさんは喜び、すぐに飛行機を予約して空港に急いだ。
しかし悪天候のため、搭乗を予定していた便は欠航に。乗れないと言われたパトリックさんは、予想外の展開にショックを受けた。
■飛行機には乗ったが残念な結果に
空港カウンターで事情を説明したところ、次の便に乗れるよう手配してもらえたとのこと。やっと飛行機に乗れたパトリックさんは胸をなで下ろしたが、離陸から4時間後にはやはり悪天候のせいでアラスカの空港に引き返すはめになった。
また他の便も欠航になったことから、パトリックさんは限られた時間内に病院にたどり着くことは不可能と判断。移植手術を断念したため、もらうはずだったドナーの心臓は別の患者に移植された。
■思わず溢れた涙
さまざまな感情が溢れ出し、思い切り泣いたというパトリックさん。しかしその後は気持ちを切り替え、「僕がもらうはずだった心臓で、誰かの尊い命が救われた」と必死に自分に言い聞かせた。
だが元気になるためには、新しい心臓が必要だ。まだ幼い子もいるパトリックさんは、これからも希望を失わず再びのチャンス到来を待つ予定だ。
■男性の願いと寄り添う妻
「移植手術を受け、もう一度人生を楽しみたい」。そう語るパトリックさんだが、子供たちの成長を見届ける前に命が尽きる可能性も十分意識している。
しかしまだ、スーツケースには入院生活に必要な物を詰めたままだ。近いうちにシアトルに行き、現地に滞在しながら次のチャンスを待つ予定だからだ。
なおパトリックさんは大家族の出身で、「子供は10人欲しい」と願ってきた。「新しい心臓をもらったら、あなたの夢が叶う日が来るかもね」。妻はそう話し、移植を待つパトリックさんを励ましている。
・合わせて読みたい→担当患者にドナー見つからず究極の選択をした医師 「では私の腎臓を」
(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)