コミケまであと2日、コスプレイヤーが絶対知っておくべき「ローアングラー」対処法

コスプレイヤーの股間や胸元だけを狙う盗撮犯たち。間もなく開幕するコミケでその対処法はあるのか?

ローアングラー

間もなく今年最後の大型サブカルイベント「コミックマーケット」(12月30~31日)が東京ビッグサイトで開催される。

近年、そのコミケ「コスプレ広場」で悪質カメラマンによる盗撮が相次いでいる。一部の盗撮写真、動画はネット上で無断販売されているが、それらについて盗撮問題に詳しい弁護士は「撮影の許諾」に重要なポイントがあると分析する(※当記事は過去記事を一部編集し配信しています)。

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■卑猥な言葉で…

中学生時代にコスプレ活動を始め、コスプレ歴8年になる現在OLのAさん。ある日、自分の写真がとある盗撮写真・動画販売サイトで商品化されていることに気がついた。偶然発見した彼女のファンが情報共有してくれたのだ。

販売ページでサンプルとして掲載されていたのは数年前、とあるコスプレイベントで撮られたと写真。目線あり写真のほか、股間や下着のアップ動画が並び、「オシリを抑えて照れまくり」「食い込みに興奮!」といった閲覧者をあおる卑猥な言葉が記載されていた。

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■会場では一切気が付かず…

彼女に話を聞くと「今から2年ほど前、とある大型イベントで着用した衣装で間違いありません。キャラクターを忠実に再現した衣装とあり、スカートがやや短めだったので、対策として見られてもいい”見せパン”(インナー)を着用していました。また、当日はボディガード的に友人男性を同伴していたのですが、まさか販売用にこんな撮影をされていたとは…」と、Aさんはショックを見せた。

じつは近年、これらのケースがコスプレ界では多発している。盗撮行為を行うのは“ローアングラー”という蔑称で呼ばれるカメラマン。性欲を満たすため撮影を続けるアマチュアカメラマンもいれば、販売目的で現地入りする業者カメラマンもいる。

彼らの手法はじつ狡猾だ。被害者からの発見を遅らせるためか、盗撮動画販売サイトではあえて数年の時間をおき「新商品」として商品化。ネット上で自分の恥部が拡散され続けていることに気づかないままのコスプレイヤー(以下、レイヤー)が大勢いるのだ。

Aさんは撮影時に異変を感じなかったのか。「なかったですね。仮に許諾した後に『なんだかレンズの向きがおかしいな』と思っても、カメラに詳しくないのでそれを制止することは困難です。まさかその後、写真や動画を販売されるなんて到底予想ができません」(Aさん)。


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■コスプレイヤー引退も視野

無秩序なコスプレ会場

彼女のTwitterフォロワーは約4万。会場では普段から交流するカメラマンから、初めて対面する一見(いちげん)のカメラマンまで幅広く撮影応対する。その数は一日で100人以上にも及ぶ。

生きがいは、コスプレを通じてアニメやゲームなど共通の趣味を語り、交流することだ。もちろん性欲の対象になるため活動を続けているわけではなく「露出系衣装はむしろ嫌いです。大好きなキャラになりきりたい」とAさん。

そして「本当にショックで、掲載ページを見た時は震えました。いまはコスプレ引退も本気で考えています…」と吐露した。その後、販売サイトに抗議を行い、幸いにも盗撮商品は削除に。しかし謝罪の言葉どころか、経緯説明すらなかったという。


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■カメラマン側にも権利が生じる

盗撮などの刑事事件を多く担当し、『犯人に告ぐ!盗聴盗撮 怒りの追跡バスターズ!!』(TBS系)にも出演してきたレイ法律事務所の河西邦剛弁護士に話を聞いた。河西氏はこの問題を追及する前提として、まず撮影における「権利」について解説する。

「2つの権利が問題になり、ひとつはAさん自身の肖像権。もうひとつは写真の著作権。写真の著作権はカメラマンにあるので、ネット販売がAさんの肖像権を侵害しているかどうかが問題となります。

そもそも肖像権というのは明確に法律に規定されている権利ではなく、過去の複数の裁判例を通じて認められてきたもの。ですので、肖像権を侵害としたとしてもそれだけでは犯罪になるわけではないのが現状」(河西弁護士)。

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■「撮影許諾」に鍵が…