移植した手で妻に心臓マッサージし蘇生させた男性 「いただいた手のおかげ」
新たな手があったおかげで、妻の蘇生に大成功。
手の移植手術から数年。「それがあったおかげで最愛の妻を救うことができた」と感謝している男性の経験について、『The Daily Star』などイギリスのメディアが伝えている。
■大手術を受けた男性
イングランド北部で暮らすマーク・ケーヒルさん(61)は、ずいぶん前に病気で片方の手が使えなくなり、約10年前には移植手術を受けることを決意。珍しい手術だったが大成功し、マークさんはしっかり機能する新しい手を得たことを喜んだ。
それから数年後のある日のこと、マークさんを支えてきた妻シルヴィアさんが自宅で心臓発作を起こし、動かなくなった。
■すぐに蘇生にチャレンジ
ただちに救急車を呼んだものの、到着を待つあいだに最悪の事態が起こらないとは限らない。焦ったマークさんは、心肺蘇生法にチャレンジすることにした。
救急隊が到着するまでの約10分間、マークさんは新しい手を使って必死に心臓マッサージを続行。危険な状態にあったシルヴィアさんに、しっかり寄り添った。
■救われた妻の現在
マークさんの努力のかいあって、シルヴィアさんはその後に回復。今も健在で、健康状態はとても良いそうだ。
マークさんはメディアの取材に応じて運命の日を振り返り、「移植手術で得たこの手が、僕以外の人(妻)の命も救ったということです。素晴らしいことですよ」とコメントしている。
また手の機能については、「まさに僕の手そのものという感覚です」「いただいた手だということは忘れていませんが、もう僕の体の一部なのです」と語った。
■移植手術に救われる人々
現地の医療専門家もメディアの取材に応じ、移植で得られる臓器や手などは「ドナーから贈られるとても大切な贈り物」「それによって患者さんとその家族の人生がずいぶん変わります」「その様子を見ると素晴らしい気分になります」と語っている。
強い力を必要とする心臓マッサージ。もしマークさんが移植手術を受けていなければ、妻シルヴィアさんの命を救うことはできなかったかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)