飼い猫に咬まれた男性が4年後に死亡 人獣共通感染症で敗血症に

ペットの唾液には恐ろしい菌が存在する。食べ物を口移しで与える、キスをするなどは危険だ。

猫

犬や猫に咬まれたり引っ掻かれたりした際、ひどい発赤や腫脹とともに激しい痛みがあったら、必ず医療機関を受診することが大切だ。

このほどデンマークで、4年前に飼い猫に指を噛まれた男性が死亡した。咬傷を侮ってはならないことを『MSNB TV』『Mail Online』などが報じている。


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■数時間後には指が2倍の太さに

男性は、南デンマーク地域に暮らしていたヘンリック・クリーグバウム・プレトナーさん。今年10月に33歳の若さで死亡したことを、このたび家族が国内のメディアに明らかにした。

ヘンリックさんは猫が好きで、2018 年に動物保護局から親猫とその子猫を引き取り育てていたが、あるとき猫に右手の人差し指を咬まれた。ひどい痛みとともに数時間後には指が2倍の太さに腫れ、病院に予約の電話を入れたが「緊急」の扱いにはしてもらえなかった。

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■基礎疾患と免疫力の低下が…

医師はヘンリックさんの症状が重いことに驚き、人獣共通感染症の「パスツレラ症」であることを説明。約1ヶ月の入院でヘンリックさんは15回もの手術を受けたが、感染の進行をくい止めることができず、4ヶ月後には指の切断が決まった。

当時ヘンリックさんは29歳だったが、痛風や糖尿病という基礎疾患があり、肺機能も弱く免疫力が低下していた。猫の唾液に含まれていたパスツレラ菌は、そんな体に致命的なダメージを与えたのだった。


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■恐ろしい人獣共通感染症

メディアの取材に応じた妻のデザレーさんは、「かなり悪化している印象がありましたが、まさか指の切断が必要になるほど深刻な病だとは本人も思っていなかったようです」と話した。今はとにかく、ペットの咬傷を甘く考えていたことを反省しているという。

「皆さんも、どうか十分に注意してください。『ただの猫だから大丈夫』なんてことはありません。気になる症状が現れたら、必ず医療機関を受診してください」と強く訴えている。


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■ペットの唾液を甘くみないで

ペットに口移しで食べ物を与えたり、キスをしたりしてはいけないと言われる通り、犬、猫、鳥類などの唾液に含まれるパスツレラ菌は、蜂窩織炎(ほうかしきえん)と呼ばれる深刻な症状を招き、菌が及んで関節炎や骨髄炎を起こすことがある。

さらにヘンリックさんのように免疫力が低下している人では、ペニシリン系やセファロスポリン系などの抗菌薬を投与しても、壊死性筋膜炎から敗血症を起こし、死亡することがあるという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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