「いつかスーパーヒーローに」と夢見た少年が交通事故死 臓器提供で人々の命救う
重い決断を下した家族が、「あの子は私たちの誇りです」と語った。
英雄に憧れて「僕も人を助けてあげたい」と考えていた少年が、車にはねられ危篤に…。「せめてあの子の夢を叶えてあげたい」と考えた家族が、少年の臓器提供に踏みきっていたことを、『Liverpool Echo』などイギリスの複数メディアが伝えた。
■悲劇的な交通事故が発生
7日午後7時25分に、イギリス・リヴァプールで暮らしていたハリー・キニー=ライアンくん(13)が車に轢かれて重傷を負った。
ハリーくんはすぐに小児病院に搬送されたが瀕死で、すでに手の施しようはない状態だった。家族はそれでも奇跡を祈ったが、ハリーくんが回復することはなかった。
■夢を大事にしたかった家族
どうにか少しの時間は持ちこたえたハリーくんだが、9日には力尽きて死亡した。約1ヶ月後に、14歳の誕生日を迎えるはずだったハリーくんのあまりにも早い死にショックを受けつつ、家族はある決断を下すことにした。
「僕はスーパーヒーローになりたい」。小さい頃からよくそう話していたハリーくんの願いを叶えるために、できることが1つあると考えたのだ。
■家族が下した大きな決断
ハリーくんの元気な臓器を使えば、重い病気で苦しむ患者さんたちを助けることができる。そう考えた家族は話し合い、ハリーくんの臓器を提供。その後にSNSを更新し、「うちの息子は臓器を提供し、望み通りスーパーヒーローになりました」と書き込んだ。
ハリーくんのきょうだいは「とても誇りに思っています」「でも、私の心はボロボロなのです」と正直な気持ちを明かしている。
■現地警察による発表
事故について調べを進めている現地警察は、34歳の男を逮捕したと発表。ハリーくんの家族については、専門の担当官たちにしっかりサポートされていると明かした。
家族、とりわけ子供の臓器提供について決めるのは大変つらく、困難でもある。日本臓器移植ネットワークのホームページには、さまざまな情報が掲載されている。提供について悩んでいる人は、一度目を通しておくといいかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・マローン 小原)