ニューヨークで大麻配達が可能に メリットの一方で悪影響を懸念する声も
税収や雇用が増えるなどのメリットがある一方、配達員への暴行などの可能性も指摘されている。
2021年3月末に、施工品としての大麻の使用が合法化されたニューヨークだが、もうすぐ大麻の「配達」まで可能になることが分かった。
『Time Out』や『NEW YORK POST』などが報じたところによると、雇用が増えるなどのメリットがある一方で、社会への悪影響を懸念する声も上がっているという。
■Uber Eatsとほぼ同じ
ニューヨーク州の大麻管理局が先週発表した新ルールで、新たに認可を受けた小売業者は、大麻や大麻入りの食品を宅配することができるようになった。配達は自転車やバイク、自動車などの交通手段で可能で、Uber Eatsなどの宅配サービスとほとんど変わりないという。
配達員は最大25人まで雇うことができ、購入者は配達員にアメリカの成人年齢である21歳以上だと証明しなければならない。
■支払い方法は?
州によってそれぞれの法律を持つアメリカでは、すべての州が大麻を合法としているわけでない。昨年合法化されたニューヨーク州の他には、10以上の州で施工品としての大麻使用が可能だ。
大麻が違法な州がアメリカの大半を占めているため、クレジットカード会社はクレジットカードでの大麻の購入を認めていない。ところが大麻管理局は、大麻配達員への現金支払いは禁じると述べており、どのような支払い方法が可能になるのか議論が交わされている。
■合法化で多くのメリット
大麻の合法化には、税収を増やしたり、凶悪犯罪を減らすなどのメリットが注目されてきた。合法化することで、麻薬売買に関する殺人が半分に減少したという研究結果も存在するという。また今回、配達が可能になることで、雇用が増える点についても目が向けられた。
一方で、大麻管理局が大麻業者を「合法」と認めるプロセスには非常に時間がかかっており、ニューヨークには無許可の店が数多く出現している。配達ビジネスが実現するのも、かなりの時間を要すると予想されているようだ。
■「盗みや暴行が横行する」と懸念
この報道を見た人々は、「まだ大麻が健康へどのような影響を及ぼすか完全に分かったわけではないのに、(配達化は)早すぎる」「これからもっとアパートから大麻の匂いがするようになるのか。最悪だ」と大麻の配達に不満を示した。
また、「Uberのアジア人スタッフが差別を受けたのを忘れたか」「配達員への盗みや暴行が横行するだろう」と、配達員への影響を懸念する声も上がっている。
依然として整理されていない大麻ビジネスがどのような今後を辿るのか、注目が集まっている。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)