パラスポーツ選手が国から「安楽死」を勧められる 生活改善を希望したはずが…
悩みを抱える人々に「安楽死装置」を推奨? カナダ首相も「絶対に容認できない」とコメント。
パラリンピックに出場したことのある退役軍人の女性が、自宅に車椅子用のリフトを設置してもらうよう要求。しかし政府関係者から「安楽死」を勧められたと主張している。『Independent』『Daily Mail』などの海外メディアが報じた。
■「安楽死装置」を提供
カナダの退役伍長であるクリスティーン・ゴーティエさんは、2016年のリオデジャネイロパラリンピックに出場したパラアスリートだ。パラカヌーの世界王者になった経歴も持っている。
メディアの報道によると、ゴーティエさんは今月になって、ある退役軍人担当官から書面で「医療補助付きの安楽死装置」の提供を申し出られたと話しているそうだ。
■首相も遺憾の意を表明
ゴーティエさんは退役軍人問題委員会で、「私は『あなたがあまりにも絶望的な状況にいるなら、私たちはあなたにMAID、つまり死に至る医療援助を行うことができます』と書かれた手紙を持っています」と述べた。
彼女はカナダのジャスティン・トルドー首相にも手紙を送り、トルドー首相は「事件は絶対に容認できない」とコメントしているという。
■カナダで安楽死は合法
カナダでは、2016年から末期患者の安楽死措置が合法化されている。2022年には、生命が差し迫った危険にさらされていなくとも、障害や悩みを抱えている人々にその対象が拡大された。
しかし、一部の人権擁護団体からは、この規制は悪用されやすく必要な保護手段が無いため、障害をもった人たちの生活の質を下げていると指摘されているという。
■同様のケースが他にも
同委員会でカナダの退役軍人担当大臣ローレンス・マコーレーは、同じように担当官から安楽死装置を提供された退役軍人のうち、5件が王立警察に照会されていると証言した。
SNSでは「不謹慎だ」「ジョークのつもりだとしたら全く面白くない」「車椅子のリフトを頼んだら天国行きだったということ?」など、多くの反応が寄せられている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)