北朝鮮が市民に改名を要求 「銃や爆弾を意味する愛国的な名前に」
独裁的な要求に、「人間は機械の部品なのか」と不満の声を上げる市民もいるという。
北朝鮮当局が、「柔らかい響き」の名前を持つ市民は、愛国心を感じさせる名前へと変更するよう要求している。この命令をよく思っていない人もいるようだが、違反者には罰金の可能性もあるという。『Daily Star』や『Daily Mail』などの海外メディアが報じた。
■思想性のない名前は修正
匿名の市民の報告によって、北朝鮮当局が市民に名前の変更を指示していることが明らかになった。住民たちに、「思想性のない名前は司法機関に行って修正せよ」「末尾の子音がない名前をすべて訂正せよ」といった通達が幾度となく出されているという。
また、新しく生まれた子供には、現在流行している韓国風の「柔らかい響き」の名前ではなく、「銃」「忠誠」「爆弾」などを意味する愛国的な名前をつけるよう命令している。
■違反者には罰金の可能性も
こうした命令に従わない住民は、罰金や罰則を受ける可能性がある。匿名の市民がメディアに語ったところによると、多くの市民は北朝鮮当局が名前の変更を強制していることに不満を抱いているようだ。
「独裁政治が行き過ぎた結果だ」と批判する人や、「人間は機械の部品か家畜なのか」と問いかける人もいるという。
■「生まれる場所は選べない」
このニュースを見た人々は、「あり得ない」「こんな命令に従わなければならないなんて」「武器にちなんだ名前は良くないと思う」と北朝鮮当局を非難している。
また、「誰も自分の生まれる場所を選ぶことはできない。このような抑圧された場所に生まれた人々は気の毒だ」というコメントには多くの「いいね」が寄せられた。当局の批判だけでなく、北朝鮮市民への同情の声も複数見られる。
■韓国風の名前を批判
当局は、韓国風の名前を「退廃的な西洋文化のコピーにすぎない」と日頃から批判してきた。このような思想的な名前に矯正することで、当局の統率力を示し、市民による反抗心を削ぐことが狙いだと考えられている。
市民からも不満の声が上がっているなか、当局はどのように対応するのか。今後の動きに注目が集まっている。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)