5歳少女が視覚障害者向け「危険察知ネックレス」を発明 盲目男性の事故がきっかけで
先月開催された発明コンテストでは、子供ながらの素晴らしい作品がずらりと並んだという。
何かを発明したり、発想したりする「ひらめき」に年齢は関係ない。このたび5歳の少女が視覚障害者のために発明した物が、見事にあるコンテストで優勝した。会場を圧巻する見事な作品だったことを、シンガポールの『AsiaOne』や『THE STRAITS TIMES』が報じている。
■目の前で盲目男性が事故に
話題になっているのは、シンガポールに住むレニー・ハイリヤントちゃん(5)。幼稚園から帰宅途中だった今年5月のある日、レニーちゃんの目の前で交通事故が発生した。
被害者は盲目の男性で、自宅に帰るやいなや、レニーちゃんは「なぜああいう事故が起こってしまったの?」と母親のシティ・カドリヤさん(33)に尋ねたという。
■「助けてあげたい」
事故を見ていたシティさんは「あの男性は目が見えないの。道路の音がうるさすぎて、横断歩道の音がうまく聞こえず、歩く方向が少しずつズレて車にはねられてしまったのよ」と分かりやすく説明した。
その話に心を痛め、「助けてあげたい」と思うようになったレニーちゃん。どうしたら視覚に障害がある人たちが危険を察知し、そして安全に道路を歩いたりできるか、懸命に思考を働かせたという。
■危険察知ネックレス
ついにレニーちゃんは視覚障害者用のネックレスを思いつき、『プラット・アンド・ホイットニー発明コンテスト』(Pratt & Whitney Invention Convention)に応募した。そこに組み込まれたGPS機能が道順を案内し、危険を察知したらブザーで警告するという。
本選は11月22日から2日間にわたり開催され、レニーちゃんの作品は幼稚園部門で見事に最優秀作品に選ばれた。
■サステナビリティも意識
同コンテストはシンガポールをはじめ、インドネシア、ベトナムに住む5歳から19歳までの子供たちを対象に行われており、今年は116人からの応募があったそう。
ほかに注目を集めた作品は、小学校低学年の部で優勝したナオミ・エデン・ツカソシさんの「成長する靴」。子供の成長は大変速いため、お気に入りの靴でも1年もなく履けなくなることが珍しくない。そこでサステナビリティとゴミ削減を目的に、足の成長に合わせて伸び、長く履ける靴を発明したという。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)