パン生産者組合の組合長が「パンを食べるやつはバカ」 国民への侮辱として逮捕
パンのナンバーワン消費国であるトルコで、「パンと国民を侮辱した」男性が逮捕。政権が20年続いているのはパンのおかげ?
トルコの国営メディアによると、「公然と国民を侮辱した」としてパン生産者組合の組合長が逮捕されたという。
彼は、トルコのエルドアン大統領が20年間にわたって選出された理由について、国民の「ばかげた」パン好きが原因であると主張している。『Reuters』『Arab News』などの海外メディアが報じた。
■パンを食べる国民はバカ?
トルコのパン生産者組合で組合長を務めるチハン・コリバルさんは9日、トルコの放送局ハバーテュルクに対して、パンの価格上昇や急激なインフレについて語ったという。
そのなかで彼は「パンは愚かな人々のための食べ物です」「これは作り話ではなく、トルコの一人あたりの年間消費量は210キロで、他の国々では45から50キロにすぎません」と述べた。
■パンの消費国ナンバーワン
実際、トルコ国民のパンの消費量はギネス世界記録にも認定されているほどだ。しかし、どうしてパン生産者の組合長がこのことに異議を唱えているのだろうか。
コリバルさんは「社会がパンで満腹になるので、支配者たちは20年間も政権を維持できたのです」と持論を展開し、昨今急速に進むインフレに絡めて大統領を批判したという。
■国民とパンに対する侮辱
放送の後でコリバルさんはイスタンブールの裁判所によって身柄を拘束され、裁判が行われるまでの間、勾留されたと報じられている。
また、大統領のスポークスマンは、組合長の発言はヘイトスピーチであると主張し「私たちの国とパンを侮辱することに加えて、政治への敵意を示しています」とコメントした。
■組合長なのになぜ…
SNSではコリバルさんがパン好きな国民性を批判したことについて、「じゃあ彼はなぜパン屋の組合長をやっているんだ」「彼になんのメリットがあるの?」と困惑した反応が多く寄せられている。
また、その発言が原因で逮捕されたことにも「トルコでパンの悪口を言ってはいけない」「パンを侮辱すると刑務所に送られるのか」などのコメントも寄せられていた。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)