竜巻後のがれきに失ったはずの婚約指輪がキラリ 絶望の中で起きた奇跡
カップルは、完成間近の新居を竜巻に破壊されてしまった。
アメリカ・テキサス州で発生した巨大な竜巻。家屋や車が吹き飛ぶなどさまざまな被害が広域で発生し、人々はがれき撤去に今なお追われている。
そんななかで、ある男女に奇跡の出来事が起きたことを『Fox4 News』『WAVE3 News』などが報じた。
■多数の建物と人命に被害
その竜巻は現地時間の4日午後に発生し、オクラホマ州南部からテキサス州北東部を襲った。教会や家屋など多数の建物が壊れ、数十名の死傷者が出たと伝えられている。
そんななか、がれき撤去の作業に追われていたのが、完成間近の新居を破壊されたテキサス州ラマー郡パリ市のダコタ・ハドソンさん、ローレン・パターソンさんのカップルだった。
■ボランティアが細やかな作業で
じつは、プロポーズのため準備していた婚約指輪をその家に隠していたダコタさん。落胆のなかでそのことをローレンさんに打ち明けると、彼女は「あなたが生きていただけで幸せ。気にしないで」と励ましてくれた。
そんなふたりに細やかな作業で力を貸してくれたのは、地域の女子短大からきたボランティアだった。泥の中で一瞬キラリと光った小さな指輪に気付いたケイト・レイニーさんは、メディアの取材に「なぜか『ここを掘りなさい』と促されたような気がします」と答えている。
■涙でボロボロになりながら抱擁
ダコタさんはボランティア・チームに深く感謝すると、ただちにローレンさんの元へ。そしてひざまずくとプロポーズを試みた。
愛、絆、人々の親切が奇跡を起こしたと知り、ローレンさんは涙でボロボロになりながらダコタさんと抱擁。周囲も作業を中止してふたりを大きな拍手で祝福し、人々の表情に笑顔が戻った。
■竜巻のレベルでは上から2番目
警報が出てわずか20分後に到来し、たった1分ほどの間に町を破壊するなど、竜巻からの避難の難しさはかねてから指摘されている。
破壊力を示す「EF」というレベルはシカゴ大学教授の藤田哲也氏が考え出したもので、今回の竜巻は最も被害が大きかった場所では上から2番目のEF4=Devastating Damage(壊滅的被害)だった。さらに上のEF5は「想像を絶する被害」と表現され、発生率は0.1%未満だという。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)