アトラクションに車椅子の人形を追加 米ディズニーランド67年間の歴史で初
「世界は一つ」と歌うテーマソングさながら、代表者は「包括的なアトラクションを作り続けたい」と語っている。
アメリカ・カリフォルニアにあるディズニーランドの人気アトラクション「イッツ・ア・スモール・ワールド」に、車椅子に乗った人形が2体追加された。『CNN』や『NEW YORK POST』などの海外メディアが取り上げ、多くの人が歓迎している。
■67年間の歴史で初めて
カリフォルニアのディズニーランドは今月、人気アトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」をリニューアルし、1955年のパーク開業から67年間の歴史の中で初めて、車椅子に乗った2体の人形を登場させた。
1体の人形は南アメリカの人形たちが集まるシーンで、もう1体は最後に世界中の人形たちが集まるなか、ゲストを送り出すシーンで見ることができる。
現在車椅子に乗っている人形はもともとは立っていたといい、イッツ・ア・スモール・ワールドの世界観はそのままに、車椅子に座った状態へとデザインし直された。
■パークを代表するアトラクション
イッツ・ア・スモール・ワールドは、ゲストがボートに乗り込み、世界中の子供たちを表現した300体以上の人形が見守るなか、複数の国を航海するというアトラクションだ。
創業者のウォルト・ディズニーの理念を表したパークを代表するアトラクションであり、世界中のディズニーパークで楽しむことができる。
車椅子のアイデアを持ち込んだのは、誰もが楽しめるパークをデザインしている「アクセシビリティチーム」の1人だった。イッツ・ア・スモール・ワールドの「世界中の子供たちが一つになる」という、アトラクションテーマに沿ったアイデアが採用されたようだ。
■「ずっと望んでた」の声
チームの代表者で、車椅子を使用しているエリン・キンタニラさんは、「アトラクションを見た時、涙が出ました。車椅子に乗った人々が、無視されずに存在している」と喜びを露わにしている。
この報道を見た人々は、「すごく素敵! 私には障害を持つ兄がいるけど、パークはとても過ごしやすい」「ずっとこれを望んでたからとても嬉しい」「多くの人がこれを見て、自分は仲間はずれじゃないと感じることができると思う」と歓喜のコメントを寄せた。
■来年には各地のパークでも
また、「むしろ、今まで車椅子の人形がいなかったことに驚き」「こういう当たり前のことが、わざわざ記事にならない社会が早く来ますように」と、さらなる包括性を望む声も見られた。
来年には、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールドや、パリのディズニーランドのイッツ・ア・スモール・ワールドにも、車椅子の人形が追加される予定だという。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)