ハリウッド大通りで手作りの家に住むホームレス男性 「同じ境遇の人たちに勇気を」
市から提供された住居を拒否してホームレス生活を続ける男性が、廃材を使って大通りに「家」を建設。
アメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルスのホームレスの男性が、交通量の多いハリウッドの大通りに車輪付きの小さな木造の家を建て、SNSで話題になっている。『Fox News』『New York Post』などの海外メディアが報じている。
■大通りに手作り住宅
仲間内で「Q」と呼ばれるホームレスの男性はメディアの取材に対して、「建設現場から捨てられた木材と友人の助けを借りて、ロサンゼルスの東西を結ぶハリウッド・ブールバードに小さな家を建てた」と語った。
Qさんはもともとテント暮らしをしていたが、市の衛生局が何度もテントを撤去するよう求めていたため、その場しのぎの家を建てる必要があったという。
■ホテル暮らしを拒否
ロサンゼルスのホームレスは6万人以上にもなり、長年にわたり議員や住民にとって大きな問題となっている。
Qさんも市から一時的な居住先を提案されていたが、ホテルの仮住まいよりも手作りの住宅を好むと言って辞退していた。「私はここで誰にも迷惑をかけているとは思いません」と語っている。
なお、Qさんは陸軍の退役軍人であり、ロサンゼルスには3ヶ月ほど滞在していることを告白。また、近いうちに台車で家を移動するつもりだとも語った。
■人々を勇気づけている?
Qさんの家は木製の簡素な作りでありながら、外壁には鉢植えやタペストリーが飾られている。また、室内で使用する電気のため、家の外には発電機も置かれているという。
彼は自らの生活について「私のような生き方は、同じような状況にある人々を勇気づけている気がします」「路上で生活しているからといって、すべてを手放さなければいけないわけでないことを伝えたいです」と語っている。
■警察は対応できず
ロサンゼルス警察と市の行政はQさんの家について、歩道や私道の通行、または誰かのビジネスを妨げていない限り、この状況について何もできないと述べた。
また、同エリアのコーヒー店「City Vibes Coffee」のランス・ショーさんはメディアに対し、「彼は誰にも迷惑をかけていません。彼は、誰かを傷つけるためにそこにいるわけではないのです」とコメントしている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)