「ビキニバリスタ」禁止は女性差別? 過去の判決を覆し勝ち取った服装の自由
過激な衣装でコーヒーを提供するバリスタに、市が服を着るよう命令。女性にばかり強制するのは憲法違反?
ニプレスやTバックなど過激な衣装を着用してカフェで仕事をする通称「ビキニバリスタ」に対して、服を着るよう命じた市の対応について、裁判所は「違憲である」という判決を下した。『Daily Mail』『The News Tribune』などの海外メディアが報じている。
■お腹まで覆う服装を義務付け
アメリカ・ワシントン州のエバレット市では、2017年に可決したドレスコード法によって、すべての「クイックサービス施設」の労働者は、腹部までを覆うショートパンツとTシャツを着用するよう義務付けられている。
しかし、米国地方裁判所はこの服装規定が男性ではなく女性向けの衣服のみをターゲットにしていることから、米国憲法における平等保護条項およびワシントン州憲法の修正第4条に違反していると判断した。
■女性ばかりを狙い撃ちに
米国地方裁判所のリカルド・マルティネス判事は、市の服装規定が性別に基づく差別によって形成されたものであることを認めた。
また、判決文に「この屈辱的で押し付けがましいルールは、警察に女性に対する恣意的な捜索を助長する危険性があり、女性から力を奪い、自由を剥奪するものです」と記載した。
■過去の裁判では…
同市の服装規定を巡っては、たくましい男性がトップレスで働くコーヒー店は服装規定の対象にならない。それについては、以前からメディアも矛盾を指摘していたという。
しかし、2019年に行われた裁判では、多くのビキニバリスタたちが働くカフェチェーン「ビルビリー・ホッティーズ」に対して、勤務中に肌を覆う服装を義務付ける命令が下されていた。
当時、ビキニ姿でのコーヒー提供が憲法で保障された自由であることを証明できる可能性は低いとされていた。だが今回の裁判では、それが覆った形だ。
■市は判決を支持
エバレット市の代表者は、裁判所の判断を支持している。また警察署からの調査報告書を提示し、「マクドナルトやスターバックスなどの店と比べて、ビキニバリスタスタンドが深刻な犯罪の主な原因になるとは言えない」ことを主張した。
さらに「男性が性的不品行に駆り立てられるのを避けるために、女性が特定の服装をしなければならないと強制するのは、女性に対するパターナリズムやステレオタイプ化であり、許されない固定観念に基づいています」と述べている。
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(文/Sirabee 編集部・びやじま)