ロシアはウクライナで禁断の「核使用」に踏み切るのか? 6割の予想は…
米バイデン大統領も「戦術核使用なら重大な過ち」と警告。プーチン大統領の判断が懸念されるが…。
今年2月24日、国境を越えたロシア軍が突如ウクライナ領内に侵攻した。圧倒的な国力と兵力の差に、2014年に起きたロシアによるクリミア侵攻と同様の展開も予測されたが、ウクライナの頑強な抵抗と西側諸国からの武器支援により紛争は長期化。
ロシア軍は占領地域から押し戻され、ウクライナは東部のハルキウやリマンなど重要拠点の奪還に成功した。
■核を匂わせるプーチン大統領
プーチン大統領が演説で広島・長崎に触れるなどたびたび匂わせてきたのが、核兵器の使用だ。1991年のソ連崩壊当時、ウクライナには大量の核兵器が配備されていたが、ブダペスト覚書により、安全保障の見返りとしてウクライナは核兵器を撤去。
非核保有国として核兵器不拡散条約(NPT)に加盟した。一方で、ロシアは大量の核兵器を保有し続けている。東部・南部の4州を一方的に”併合”したロシアは、”自国”の領土を守るという名目で核兵器を使用する懸念も。世間はどのように受け止めているのだろうか。
■6割が「核使用ない」
Sirabee編集部が、全国10〜60代男女880名を対象に調査したところ、「ロシアの核使用はない」と考える人が最も多く58.8%。一方で、特定の戦場を標的とする戦術核兵器が使用されると予測する人も33.0%に及んだ。
米バイデン大統領は、ロシアの戦術核使用について警告しており、25日もロシアがウクライナで戦術核を使用したら「重大な過ちを犯すことになる」と発言した。
戦術核が使用された場合、緊張と対立が極度にエスカレートしていく可能性もあり、その場合は第三次世界大戦や全面核戦争の恐れも。今回の調査で、その最悪のシナリオを予測した人は8.2%にとどまった。
■若い世代は警戒
年代別に見ると、すべての世代で「ロシアは核使用に踏み切らない」という予測が過半数となった。一方で、最も核使用を懸念する割合が高かったのは、10〜20代で戦術核・全面核戦争をあわせると47.9%に。
右傾化・保守化しているとも言われる若い世代だが、安全保障への意識についても警戒感が高い傾向があるようだ。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女880名 (有効回答数)