『キングオブコント2022』が賛否両論の理由 『お笑いの日』真の勝者は誰だ
様々な評価の『キングオブコント2022』で「最高の人間」「や団」「ランジャタイ」らに注目。
■東京03をも凌ぐ?「や団」
惜しくも3位となった「や団」も、非常にSNS上での評価が高かったコンビの1つ。成熟したトリオコントが東京03を彷彿とさせながらも、東京03をも凌ぐトリオコントの完成度であるともいえるだろう。
東京03のコントは、3人の関係性で魅せるまさにドラマのような細かな設定が人気。だがその分、東京03のコントは、わかりやすさとインパクトに欠ける部分があるだろう。
その点を補う、や団のコントは、常に笑いに意外性を忍ばせながら、様々な設定でコントを成立させており、ネタの幅も広い。優勝もあり得たもので、売れそうだ。
■審査員評価も超える多様な深み
最下位となった「ニッポンの社長」のコントは、『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)が非常に有名というサブカル理解が。
トップバッターの不利さも否めない「クロコップ」は、『遊戯王』(集英社)のカードバトルの知識が、コント理解にそれぞれ非常に重要であるなど、最高の人間のネタも含め、リテラシーを要求されるネタが増えたのは、よくも悪くも『キングオブコント』に深みを増す。
SNS上の評価を踏まえても、審査員の評価をも超えた『キングオブコント』の多様な深みを実現し、売れる芸人を生んでいくかもしれない。
■「ランジャタイ」による津田の天才的料理
また今回は、『キングオブコント』以上に視聴者に印象を残した『キングオブコント』も含む約半日に渡る『お笑いの日2022』 (TBS系)上のネタがあった。
『お笑いプラスワンFES』(TBS系)で実現した「ランジャタイ×ダイアン津田」のコラボネタだ。ランジャタイのハチャメチャな世界観によって、ダイアン津田のよさをちょうどよく抽出することに成功した。
誰もが認める結果となり、『キングオブコント』よりもこの日、爪痕を残したのは、じつは、ランジャタイとダイアン津田なのかもしれない。
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(文/メディア評論家・宮室 信洋)