牛肉を食べるとうつ病になるリスクが軽減 44万人対象の研究で判明
心身ともに健康の秘訣は、正しい食生活を送ることだ。
精神障害と食事には直接の関連がないと思われがちだが、実は「こころの病気」に効果的な食材はいくつか存在することが、近年明らかになってきている。
このほど、台湾やアメリカの研究チームが、牛肉の摂取がうつ病のリスクを軽減するという研究結果を報告し、『Daily Star』や『Network 10』などの海外メディアに取り上げられた。
■40万人以上のデータを調査
国立台湾大学や、マサチューセッツ総合病院などの精神科医のチームが、精神医学誌『ジャーナル・オブ・アフェクティヴ・ディスオーダー』に寄稿したところによると、牛肉を効果的に摂取することによって、うつ病の予防に効果があることが分かった。
研究チームは、44万人のイギリス人と、4万5,000人のうつ病患者の食生活に関するデータを調査したという。
■牛肉の栄養素で気分高揚
牛肉に含まれる鉄、亜鉛、タンパク質、ビタミンB群などの栄養素は、脳機能をサポートすることが知られており、気分を高揚させるのに役立つそうだ。
これまでの研究では、「地中海式食事」がうつ病予防に効果的と言われてきた。これはイタリアやギリシャに代表される地中海地方の食事のことで、野菜や果物、魚介類やオリーブ、適量の赤ワインなどが含まれる。
■地中海式食事だけでなく牛肉も
地中海式食事は、肉製品や乳製品が少ない点で特徴的だが、今回の調査によって、牛肉は積極的に摂取したほうが良いということが判明したと言える。
研究チームによると、牛肉の摂取がうつ病のリスクを下げるという因果関係を報告したのは、この研究が最初だという。
■あくまで健康的な食事を
また多くの研究で、肉を食べない食生活とメンタルヘルスの不調には相関関係があることが示されている。肉を食べる人のほうが、ビーガンやダイエットで肉を絶っている人よりも、うつや不安を訴えている人の割合が少ない。
とはいえ、今回分かったことはあくまで「牛肉を摂取するとうつ病のリスクが軽減される」ということだ。研究チームは、「牛肉を食べればうつ病が治る」わけではないことを強調している。
健康的な食事を中心に、時には豪華なビーフステーキや、高カロリーなビーフバーガーを楽しむのが良いかもしれない。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)