ペットボトルの分別をしなくなる「危険な状況」 知られざる”ルール”があった…

ペットボトルの分別が呼びかけられている。分別するのには様々な理由があって…。

2022/10/08 04:15

ペットボトル分別

「ペットボトルの分別」と聞いて、どんなイメージを抱くだろうか。住む地域によって分別の仕方は異なるものの、多くの人はきちんとやっていると思うかもしれない。

じつは、日頃心がけている人でもペットボトルの分別を疎かにしてしまう「危険な状況」があって…。

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■ペットボトルになるものは?

ペットボトル

ペットボトル

突然だが、飲料や調味料が並んだ上の2枚の写真の中で、どれがペットボトルになるかご存知だろうか?「そんなの『サントリー天然水<南アルプス>』だけでしょ」と思うかもしれない。

じつは、その横に並んだしょうゆと白だしもペットボトルになるのだ。見分け方はラベルの表示。

ペットボトル

ペットボトル

識別表示マークで「PET」と書いてあればペットボトル、「プラ」と書いてあればプラスチックになる。先述した写真であれば、「サントリー天然水」や白だしには「PET」と記載されており、ソースには「プラ」と記載されているのでそのように分別する必要がある。

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■プラスチックが混ざると…

ペットボトルの中にプラスチックが混ざるとどのような影響があるのだろうか。『ごみの学校』で運営代表を務める寺井正幸さんはこう解説する。

「プラスチックをリサイクルする時は、『PET』と『PP』でそれぞれ精度の高いリサイクル素材を作っています。『PET』と『PP』では溶ける温度の融点が異なるため、『PP』の温度で『PET』を溶かしても上手く溶けない場合があります。そのため、『PET』に『PP』が入ると、異物として弾かれてしまうんです」。

記者が住む地域ではラベルとキャップを外し、ペットボトルの容器だけ出すことになっている。各自治体によって分別のルールは異なるため、今一度各家庭で確認したいところだ。

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■「危険な状況」とは…

ペットボトル

前出の寺井さんは日頃ペットボトルの分別ができている人でも、疎かにしてしまう「危険な状況」があると指摘する。「日本は家庭での分別に対する意識は高いのですが、夏祭りや屋外でバーベキューをした際などイベント時になると分別しなくなる人が見受けられます。容器の中に肉の残りやバーベキューで使ったタレが入っていることも多いです。屋外でもペットボトルを入れる用の袋を作ったり、中にゴミを入れないよう意識してもらうといいかもしれません」(前出・寺井さん)。

たしかに、記者も過去に屋外でバーベキューをした際、お酒を飲んでいることもあってペットボトルでないものも入れてしまったことがある…。


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■屋外での分別方法

多くのペットボトル飲料を販売するサントリーにも、分別法について話を聞いた。同社の担当者は「家庭では各自治体のルールに従って欲しい」としつつ、屋外での分別を呼びかける。

「キャップとラベルを外してリサイクルボックスに入れていただくことを推奨します。キャップとラベルはプラスチックゴミを捨てる場所がなければ、外した上で本体と一緒にリサイクルボックスに捨てていただいても構いません。一番気を付けていただきたいのは、飲み残しとゴミが入ることです」(サントリー担当者)。

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■飲み残しがNGなワケ

ペットボトル

ペットボトル

前出のサントリー担当者によると、ペットボトルはペットボトルに生まれ変わることができるという。「ペットボトルを集めて破砕して1センチくらいにし、洗浄して溶かしてもう一度PET素材にリサイクルします。その際、ペットボトルの中に飲み残しやゴミがあると、リサイクルの工程から外れてしまいます。仮に、底に溜まっているのがお茶だとしても、それが薬品の可能性もあるからです。口に入れる飲料の素材を作るので衛生上リサイクルに回せないんです」。

前出の寺井さん然り、飲み残しをしないよう推奨するのはリサイクルの可能性を潰してしまうからなのだ。


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■サントリーの取り組み

サントリーでは、ペットボトルをペットボトルにするリサイクルに力を入れているという。

「弊社では、2011年からリサイクル会社様と『ボトルtoボトル』技術の検証・開発をしております。2030年までに全てのペットボトルをリサイクル素材もしくは植物由来で新たに石油を使わないペットボトルにするという目標を掲げています。昨年、弊社ではペットボトルの37%がリサイクル100%のものになりました。日本全体では、ペットボトルの約9割がリサイクルされていますが、これは卵パックや繊維にリサイクルされたものも含めた数字です。ペットボトルからペットボトルになっているのは約15%にとどまります。洋服や卵パックにリサイクルされるとペットボトルになることはありません。使い終えた後は捨てられて燃やされてしまうことが大半ですからね」(前出・サントリー担当者)。

その点、ペットボトルへのリサイクルであれば半永久的に使うことができるのだ。これからの時期、キャンプやバーベキューなど屋外のレジャーが増えるだろう。

そんな時、一人一人がきちんとしたペットボトルの分別を心がけてほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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