犬は嗅覚で人間のストレスを感知すると判明 介助やセラピー犬にさらに高まる期待

飼い主が嬉しいときも悲しいときも、寄り添ってくれる犬。愛犬家はこの研究結果に納得だろう。

犬

人類が初めて飼い始めた動物は犬。犬の家畜化は氷河期末期の1万1,000年前までさかのぼることが最近の研究でわかり、人間にとって最も古い「親友」と言っても過言ではないそうだ。

犬が人間に関わるうえで、このたびまた新たな才能が判明したことを、アイルランドの『Silicon Republic』やアメリカの『CNN』が報じている。


関連記事:亡き愛犬に瓜二つのクローン犬をもうけた女性 「生まれ変わりではないが幸せ」

■犬はストレスを感知する

北アイルランドのベルファストにあるクイーンズ大学ベルファスト校の研究チームが、このたび「犬は人間のストレスを嗅ぎ分けられる」という興味深い研究の結果を発表した。

研究者たちは、実験に参加した36人の何もしていない時のストレスレベルを血圧や心拍数で測定し、続いて汗と呼気を採取。それらを4匹の犬に嗅がせて覚えさせた。

関連記事:溺れた大型犬を救った20代男性 顔面に噛みつかれ目の上を縫う大けが

■ストレスに反応した犬

参加者たちは3分間にわたり数学の計算問題を解くよう指示され、再びストレスレベルを測定。その後に採取した汗と呼気を再び犬たちに嗅がせた。

さらにその数分後、それぞれの参加者の計算問題を解く「前」と「後」の汗と呼気を並べて嗅がせてみたところ、94%の確率で犬たちはストレスが溜まっている「後」のサンプルに強い反応を示したという。

関連記事:36時間かけてハイカーに助けを求めた忠犬 谷底に滑落したご主人のため…

■介助やセラピー犬の活躍に期待

飼い主の体調が悪いと心配そうに顔を眺め、しきりに顔をなめようとする犬がいる。同大学・大学院博士課程のクララ・ウィルソンさんは「犬が飼い主の心理状態や体調に反応し、寄り添っていく理由がこれで理解できました」と語る。

今回の研究で、犬は飼い主でなくても人間のストレスというものを感知できることも判明した。そのため、「介助犬やセラピー犬の育成にその才能を生かす訓練が取り入れられれば、人間と犬の関係性は将来的にさらに明るいものになることが期待されます」とも述べている。


関連記事:恐竜と犬のシュールな散歩が話題に 目を疑うような光景に「日本だよね?」と驚愕

■犬の嗅覚センサーは2億以上

小動物臨床獣医師であるアメリカ・バージニア工科大学ブラックスバーグ校のマーク・フリーマン博士は、かつて「匂いを感知するためのセンサーで鼻孔の内側にある嗅覚受容体は、人間が5,000個なのに対し、犬には2億2,000万個も存在する」と明かしていた。

同博士によると、すべての犬が強い嗅覚を誇るが、なかでもスパニエル、テリア、グレイハウンドの血を引くラーチャーといった種類は、狩猟犬だった歴史でもわかるように、特に嗅覚が優れているという。

・合わせて読みたい→亡き愛犬に瓜二つのクローン犬をもうけた女性 「生まれ変わりではないが幸せ」

(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ

【Amazonセール情報】ココからチェック!