ADHD疑いの少年が退学言い渡され… 「フルネーム書けなくなった」と母親が市を非難
ADHDの子供は傷つきやすい傾向があり、ただ叱るだけでは逆効果だという。
小学校での教育は、生涯学習の基礎を作り、健やかな人格を形成する重要なプロセスだ。しかし「行動上の理由」が原因で、それをほとんど受けられていない少年がいる。
ADHD(注意欠如・多動症)の可能性があるという少年と、その母親の切実な想いを、『The Sun』や『Mirror』などの海外メディアが報じた。
■徐々に減らされた授業時間
イギリスのストーク・オン・トレントに住むニコラス・ベイリーくん(7)は、小学校2年生になってからというもの学校に行く時間がめっきり減ってしまった。
学校側の要請によって、ニコラスくんだけ授業時間が半日、そして1時間と徐々に減らされてしまったという。さらに、学校が夏休みに入る3週間前、ついに退学を言い渡され、それ以降は通える小学校を探している状態だ。
■息子にADHDの疑い
ニコラスくんの母親ケイリーさん(35)によると、ニコラスくんが退学処分になったのは「行動上の理由から」とのことだ。ケイリーさんは、ニコラスくんが幼少の頃から彼がADHD(注意欠如・多動症)なのではないかと考えており、以前から検査を受けさせたいと考えていたという。
ADHDとは、集中力を持続させられなかったり、落ち着きがなくじっとしていられないなどの特徴が認められ、生活に困難をもたらす症状である。
■やっと認められた検査
ADHDは2~7歳の頃に症状が目立ち始めるが、検査を受けられるのは7歳以降が一般的とされている。
ケイリーさんは、ニコラスくんにADHDという診断が出れば、特別な支援を受けられる学校に通ったり、教育方針の計画を立てやすくなると考え、保育園に通っている時から検査を訴えてきた。学校に通えない状態が10週間も続いた今、やっとニコラスくんの検査が認められたそうだ。
■動きのない市議会を非難
市議会は、ニコラスくんが通える特別学級を準備すると告げたが、依然として動きが見られないという。
ケイリーさんは、「1日中議会に電話しているのに、誰からも返事がない」「学校で学ぶことができないせいで、息子はフルネームの書き方も忘れてしまった」と市議会を非難している。
さまざまな特徴を持つ子供たちが、安心して学ぶ環境を提供することは市政の重要な役目だろう。
・合わせて読みたい→SNSの嫌がらせが原因で15歳少年が自殺 新型コロナワクチン未接種と噂され…
(文/Sirabee 編集部・広江おと)