個室トイレ内まで監視し社員を解雇した企業 「プライバシー侵害」と大批判
プライバシーの侵害にもなるトイレ・ハラスメント。明るみになっているのは氷山の一角か。
今の時代、異性にほんのちょっとでもプライベートな質問をしたら「セクハラだ」と言われ、部下にきつく注意すれば「パワハラ」と訴えられるなど、上司の立場は非常に難しくなっている。
今、中国でトイレを舞台に明らかに行き過ぎたハラスメントが起きていることを、イギリスの『The Sun』やオーストラリアの『news.com.au』が報じている。
■カメラの映像が流出
中国の南東部に拠点を構えるあるテクノロジー企業は、トイレの使用状況について少し前からうるさくなり、「パワハラだ」と批判にさらされていた。
最近になって、男性社員3人がトイレの個室で用を足しながら、携帯をいじったりタバコを吸ったりしている様子が、ついに映像となって流出した。会社の内部からは、「監視カメラまで仕掛けていたとは最低のプライバシー侵害。大問題だ」と、かつてないほどの不信感が募っているという。
■画像を用い社員に警告
当初、会社側は監視カメラを仕掛けたことを否定していたが、撮影した動画を用いて、社員に「トイレでは用を足す以外のことは行わないように」と警告したことがある。それを指摘され、設置したことを渋々ながら認めた。
そのうえで、会社はトイレで携帯電話の使用や喫煙があった2人の社員を解雇。もう1人に対しても1ヶ月の減給処分が言い渡された。
■「社員への敬意も愛情もない」
この件が大きく報じられると、世間からは「プライバシーの侵害で会社を訴えてやれ」といった怒りの声がずらりと並んだ。
「監視カメラを悪用する企業は罰せられるべきだ」という意見のほか、「社員をまるで奴隷か動物のように扱っていて最低」「こういう企業は社員に対し、敬意も愛情も何も感じていない」など、会社に対する非難が殺到している。
ただし、本人の働く意欲や勤勉な姿勢とトイレの使用状況は一致する、と主張する経営者や上司も相変わらず多いようだ。
■中国の別企業も話題に
中国では今月、深圳市にある教育会社で採用試験を受けにきた求職者が、理不尽な理由で不採用になっていたことがわかり、物議を醸していた。
中国の迷信にしたがい、「電話番号の5桁目が5の人は不運を持ち込む」として拒否されてしまったといい、「もしもここで働きたければ、電話番号を変更してください」と要求された人もいるという。
ネット上では「求職者のスキルややる気は関係ないのか」「そんな非科学的なことにとらわれる会社なんて」と、非難轟々の様子だ。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)