人工甘味料はがん発症に加え心血管疾患のリスクも 仏研究チームが発表

「この機会に、砂糖にも人工甘味料にも頼らない健康的な食生活を意識して」と専門家。

コーラ・ペットボトル

今年の春、フランスの研究チームが発表した「人工甘味料にがん発症のリスク」という話題。日本ではダイエットの強い味方といわれる人工甘味料だが、がんばかりか、なんと心疾患とも無関係ではなかったことを『Health』『The Guardian』などが報じている。


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■参加者の平均年齢は42歳

10万人以上を対象にした10年にわたる追跡調査により、人工甘味料に関する前向きコホート研究を行ったソルボンヌ・パリ・ノール大学。調査に参加した人の平均年齢は 42歳、80%が女性で、その37%がさまざまなメーカーの人工甘味料を摂取してきたという。

この春には「人工甘味料を多用している人は、摂取しない人より13%もがんの発症率が高い」と発表して話題になった彼らは、このたびさらに、医学雑誌の『BMJ(ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル)』に「心血管疾患の発症リスクが9%高まる」と発表した。

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■危険性を医学雑誌で警告

人工甘味料の種類および摂取量は参加者本人の申告内容に従ったものだが、調査が行われた10年の間に、冠状動脈性心疾患(狭心症および心臓発作)や脳血管疾患(脳卒中)が計1,502件発生したといい、総摂取量と発症リスクは比例したという。

成分別では「アスパルテーム」が脳血管疾患の発症リスクを17%増加させ、「アセスルファムK 」「スクラロース」では冠状動脈性心疾患のリスクが増加したという。

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■トクホ、ノンアル、スポドリにも

人工甘味料は、主に糖尿病予備軍、2型糖尿病、BMI高値(肥満)の人たちのために開発された。現在はゼロカロリー商品、トクホ商品、発泡酒、ノンアルコールビールやスポーツドリンクにも多用されている。

それがなぜ病気を引き起こすのかについては、インスリン分泌とグルコース吸収のバランスが崩れ、腸の炎症性疾患に影響を与えている、腸内細菌叢が変化するからなど諸説あるそうだが、詳しいことは突き止められていない。


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■「摂取量は控えめに」

この研究に関わっていない立場として、アメリカ・テキサス心臓研究所(Texas Heart Institute)のアレクサンダー・ポスタリアン博士が『Health』の取材に応じた。

「自己申告に従った調査では、正確なデータとは言えない。また砂糖をやめるよう指導された人は、そもそも健康状態や生活習慣に問題があったわけで、人工甘味料だけを悪者にするのは難しい」と述べている。

ただし、こうした不安な情報がある以上、人工甘味料の摂取量は控えめにしたほうがよいとのこと。この機会に、砂糖にも人工甘味料にも頼らない健康的な食生活を意識してほしいという。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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