日本一高い駐車場、設定料金に目を疑うが… 防犯カメラの語る「真実」に思わず納得

「日本一高い」の二つ名に相応しい神奈川県のコインパーキング。しかしこちらの料金設定には、やむを得ない事情があるようで…。

2022/09/12 04:45

■2020年に「決定的な事件」が起きてしまう

今回の取材に応じてくれた担当者も、「七里ガ浜のコインパーキング」というフレーズを聞いて、即座に事情が飲み込めた様子。

当初からこのような金額設定であったのかを尋ねると、担当者は「2020年、新型コロナウイルスの流行に伴い、海水浴場周辺の公共駐車場が閉鎖となりました。もちろん、コインパーキング等はその対象ではございません」「公共駐車場閉鎖に伴い、該当パーキングを利用される方の数が急増したのですが、早朝に騒音をたてるなどし、近隣住民の方々にご迷惑をかける利用者の方も見られるようになったのです」と説明しつつ、そうした問題の打開策として「早朝料金の値上げ」を断行したと説明してくれたのだ。

なお、値上げをしても早朝に迷惑行為と行なう利用客の数に変化は見られず、徐々に金額を上昇させていった結果、現在の「1,000円/10分」という金額に落ち着いたという。


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■対立の溝はあまりに深い…

どのような迷惑行為が行なわれていたのか尋ねると、担当者は防犯カメラの内容を振り返りながら「早朝にサーフボードで音を立てたり、歌ったり、踊ったりするような行為が確認できております。もちろん、お静かにご利用されている方々もいるのですが…」と、回答してくれた。

一点強調しておきたいのは、該当パーキングは「元々サーファーたちに多く利用されていた」ワケではなく、「公共駐車場の閉鎖に伴って存在が広く認知された」という点である。

そのため、当初は閑静な住宅街であったにも関わらず、早朝の騒音に対する近隣住民からの苦情が後を絶たない事態へと繋がってしまったのだ。

現在は公共駐車場の閉鎖も解かれたため、該当のパーキングを利用するサーファーの数もピーク時よりグッと減ったはず。金額設定をめぐって「消費生活センター」に問い合わせる利用客もいるそうで、アパルトマンイクシーズも金額の見直しを検討していないワケではない。

タイムパーキング 七里ガ浜

しかし近隣住民は値下げに「断固反対」しているため、現状の価格を維持せざるを得ないそうだ。件のパーキングは「海から少し離れた場所にある」という点がミソで、「『海が好きだけれど、海に近いと賑やかすぎるため、ほんの少しだけ離れた場所に住みたい』という方々が好んで住まれるエリアになります」というコメントが得られたのが、非常に印象的であった。

前出の通り、全てのサーファーが悪いワケではなく、実際にマナーを守って静かにパーキングを利用するサーファーの姿も確認されている。

しかし、一部の撮り鉄がモラルない危険な撮影行為を行なうことで「全ての撮り鉄」への風評被害と誤解が生まれてしまった事例などを鑑み、マナーなき行動をとったサーファーは、自身の行ないが他のサーファーにどのような影響を与えてしまったかを考えてみてほしい。

「一度失った信頼を回復するのは難しい」と言うが、件のコインパーキングが本来の料金設定に戻るには、今しばらく時間がかかりそうだ。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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