ネットで買える抗原検査キットに怒りの声も… 厚労省が警告する「信憑性」

ネットで大量に出回る抗原検査キットには「当てにならない」という声も…。

2022/08/31 04:15

抗原検査キット

9月から、厚生労働省が承認した新型コロナウイルスの抗原検査キット「一般用」がインターネットで販売される。しかし「解禁前」からネット上には国の承認を受けていない抗原検査キットが大量に出回っている。

ネット上では、この信憑性をめぐって怒りの声もあがっていて…。

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■「研究用」キットとは

抗原検査キットには、国が承認した「医療用」と、承認を受けていない「研究用」がある。9月からネットで解禁となる「一般用」は「医療用」同様、国の承認を受けており一定の精度が確認されている。

購入の際は薬剤師から説明を受ける必要がある。これに対して、8月30日現在ネットで出回っているものはすべて「研究用」となっている。

抗原検査キット

パッケージには「研究用」と表記され、注意書きに「本キットおよび付属品は医療機器ではなく研究用製品となります」「本製品を用いた検査判定はいかなる意味でも医療診断や治療を目的とするものではありません」と記載されている。

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■ネット上では怒りの声も…

薬局等で「医療用」キットを買おうと思っても品切れになっているところも多い。そんな中、ボタン一つで手軽に購入できることから「研究用」を買う人も少なくないだろう。

ただ、ネット上では「コロナ2日目の私がしても陰性だったんだけど」「研究用使って陰性だったのに2時間後に内科受診したら陽性だった。正直当てにならない」「前日に病院で陽性反応が出て次の日使ったら陰性…信憑性に問題ありだと思う」「信憑性低い抗原検査キットが4000円ってどうなの」など、「研究用」の一部商品に対して怒りの声があがっている。

すべての「研究用」が当てにならないと断定できないが、正確性にかける商品も出回っているようだ。

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■厚生労働省に問い合わせた

ネットで販売されている「研究用」の信憑性について確認するため、Sirabee編集部は厚生労働省に問い合わせた。「研究用キットは国から承認されたものではありません。その効果を厚労省でも把握していないため、一般消費者の方にも研究用以外の目的では使わないよう呼びかけています。最終的には医師の判断になりますが、研究用で陽性反応が出たことでコロナ陽性だとは判断できません」(厚労省)。

通販サイトでも研究用が大量に出回っているが、何らかの対応を取っているか尋ねると「販売プラットフォームの事業者の方にも販売を自粛するようお願いしております。販売の自粛や表示の仕方に気を付けるようお伝えしていますが、販売を禁止することはできません」(前出・厚労省)とのこと。


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■薬局で販売されているものも…

先述したように、今後はネット上でもきちんと国の承認を受けたものが販売される予定だという。ただ、「研究用」はネットで売られているものに限らないようで…。

「薬局で薬剤師を通して販売されるものは医療用ですが、薬剤師の説明を受けずに買えるものは研究用です」(前出・厚労省)。実際、記者の家の近くにある薬局では「研究用」が売られており、薬剤師を通さずに購入可能だった。

今後、ネット上には国の承認を受けたものと受けていないものが混在することになる。正確な結果を知りたいのであれば、購入する際にきちんと確認したほうが賢明だろう。

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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人

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