世界初のサル痘・新型コロナ・HIVに同時感染 30代男性が旅先の性行為で
新型コロナのせいで長い間我慢が続いた分、海外旅行でハメを外す人が増えている。
このほどイタリアで、海外旅行後に体調を崩したという男性が医療機関を受診した。検査の結果は予想だにしないものであったとして、医師が学術誌に発表。『News MEDICAL/LIFE SCIENCE』『Mail Online』などが報じ、人々の大きな関心を集めている。
■全身にさまざまな症状
男性はシチリア島カターニャ県在住で36歳。6月16日から20日までの5日間、旅行のためスペインに滞在し、帰国後の7月2日に体調に異変が現れた。
7月5日には、Azienda Ospedaliero Universitaria Policlinico “G.Rodolico – San Marco”という大きな病院を受診。発熱、喉の痛み、疲労感、頭痛、そして左腕、胴部、下肢、頭部、肛門付近の痛みのある水疱、さらに鼠径部のリンパ節の腫れを訴えた。
■旅先で奔放な性行為
何らかの感染症が疑われた男性は感染症の専門病棟へ移され、血液検査の結果、サル痘ウイルス、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)の3つのウイルスに陽性反応が現れた。
男性の全身症状は非常に重く、肝臓と脾臓も軽度ながら腫大。そこで医師に、現地で男性と無防備で奔放なセックスを楽しんだことを打ち明けたという。
■しぶといサル痘ウイルス
男性は昨年12月に mRNAワクチンの2回目を接種していたが、今年1月に新型コロナウイルスにり患。今回の感染は2度目となる。また、昨年9月に受けたHIVウイルス検査では陰性だった。
一方、サル痘はすでに世界の94ヶ国に広まっており、4万1,000 件を超える感染者が確認されている。
男性の咽頭ぬぐい液を調べ続けたところ、サル痘ウイルスは20日たっても陽性だったといい、医師は「治ったように見えても、その後も人に感染させる可能性があることを理解してほしい」としている。
■旅行先でハメを外すのは危険
医師は「注目されている3つのウイルスのすべてに同時期に感染した例は、おそらく世界初だろう」として、男性の症例を感染症専門の査読付き医学雑誌『Journal of Infection』に発表した。
新型コロナウイルスのパンデミックで長い間我慢が続いたこともあり、海外旅行でハメを外そうと考えている人は少なくない。しかし、さまざまな感染症にり患する危険性が高いことも、忘れてはならないようだ。
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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ)