連休明け、会社に行こうとするとお腹が… あの腹痛に効く「治療法」があった
会社や学校、大事な試合の前になると痛くなる。あの腹痛の「正体」は…。
学校に行く前、会社に出社する前、スポーツの大事な試合前──。変なものを食べたわけじゃないのに、突然お腹が痛くなる…。
食べ過ぎや食あたりとは異なる腹痛に頭を悩ませる人は多いのではないか。ただ、この腹痛には「治療法」があって…。
■会社や学校に行く前になると…
お盆休みが明けて仕事が始まった人も多いだろう。連休明けに仕事に行こうとすると、それまで何ともなかったのに突然お腹が痛くなった経験はないだろうか。かといって、前日に食べすぎたり生ものを食べた覚えはない。
ネット上でも、「仕事行きたくない病発動してるなぁ。お腹痛い」「上司と折り合い悪すぎて腹痛いです」「朝学校行く時いつもお腹痛いんやけどなんで」「学校嫌すぎてお腹ずっと下してる」など、会社や学校に行く前などに訪れる腹痛に頭を悩ませている人が多数見受けられる。
■過敏性腸症候群の疑い
医療法人幾嶋医院・院長で漢方医の幾嶋泰郎さんによると、こうした腹痛が続く場合、過敏性腸症候群(IBS)が疑われると指摘する。
「腸に異常はないのに、慢性的な腹痛が起きたり、下痢・便秘などの便通異常が長期間続く病気です。排便後、痛みが軽減されるという特徴があります。はっきりとした原因はわかっていませんが、ストレスや過度な緊張、腸内細菌叢の変化などが関係しているのではないかと考えられます。感染症による腹痛だと微熱や痛みが強めに出ることがありますが、過敏性腸症候群の場合、ご本人も『小さい頃からこうだった』と自覚している場合が多いです」(幾嶋さん)。
記者も小さい頃からこの症状を経験している。夏休み明けに登校する時、受験当日の朝、会社の面接前など、嫌なことや大事なことがある日は必ずと言っていいほどお腹が痛くなった。
■「無意識に空気を飲む」
何をストレスに感じるかは人によって異なるため、原因を断定しきれないのが難しいところだ。前出の幾嶋さんに、緊張状態でお腹が痛くなる仕組みを聞いた。
「人間はストレスなどで緊張すると無意識に空気を飲み込んでいます。するとお腹が張っておならがたくさん出ます。人によって異なりますが、おならが出ると一時的に症状がよくなることもあります。飲み込んだ空気が多いと、腸管を内側から膨らませてそれが刺激となって腸の動きが活発になります。その時、腹鳴や腹痛を訴え、場合によっては下痢や軟便になるんです。腸管の収縮の仕方によっては、下痢ではなく便秘になることもあります」(前出・幾嶋さん)。
■「治療法」は…
この厄介な腹痛に「治療法」はあるのだろうか。「適切な医療機関で漢方薬をもらって飲むのがいいでしょう。お腹の緊張を緩和する漢方薬があるのでそれを1日2~4回飲んでいただければ、下痢までいかずに落ち着くことが多いです。また、ストレスに感じるものをストレスにしないように、考え方を変えるのも大切です。例えば、怖い上司がいても『命まで奪うわけではない』とか『厳しく指導しているけど、たくさんアドバイスしてくれて本当は優しいんだ』などストレスにならないように考えるといいでしょう」(前出・幾嶋さん)。
会社や学校、人間関係など、あらゆるストレスに囲まれて生きているが、それらに対する向き合い方を少し変えるだけでも腹痛は軽減されるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・斎藤聡人 取材協力/医療法人幾嶋医院院長・幾嶋泰郎さん)