ビーガン活動家が高級デパートで牛乳垂れ流し 「金持ちの主張」と揶揄される
衣服や床についた牛乳の臭いは、なかなか取れるものではないだろう…。
ビーガンを推奨する活動家たちがスーパーマーケットで牛乳をまき散らし、警備員に連行される様子をとらえた動画が波紋を広げている。
ビーガンとそうでない人々の主張がぶつかり合う様子を、『Daily Mail Online』や『Evening Standard』などの海外メディアが報じた。
■肉や乳製品を拒むビーガン
ビーガン活動家団体「アニマル・レべリオン」が、ある動画を公式ツイッターに投稿し、話題となっている。
「レべリオン」とは、日本語で「反逆者」を意味する。彼らは、動物虐待につながるとする人の食文化や産業を批判し、肉や乳製品を食べることを拒み、その考えを社会に広めるために活動している。
問題の動画は、1人の女性が「酪農産業は地球を破壊し、動物にとって残酷だということを伝えるため、ハロッズで牛乳をぶちまけます」と説明するシーンから始まる。ハロッズとは、ロンドンにある老舗の高級デパートだ。
■警備員総出の大騒動に
画面が切り替わると、アニマル・レべリオンのメンバーと見られる5人の男女が、ミルク売り場の棚から牛乳パックを掴み取り、黙々と床に垂れ流していくシーンが映し出される。
周囲は混乱してざわついており、中には靴に牛乳がかけられるのも構わず「あなたたち何をしているの?」と、止めに入ろうとする女性も見られた。
しばらくして、7人の男性警備員が現れ、アニマル・レべリオンのメンバーを拘束した。メンバーは激しく抵抗し、床に寝そべったり、座り込んで連行されるのを拒む姿も映っている。
■「貧しい人のために使え」の声
この動画は広く拡散され、「これは完全に犯罪行為だ」「食べ物を無駄にして貧困層を苦しめ、床を汚して清掃員に迷惑をかけ、暴動を起こして警備員に手間をかけさせている」「ひどすぎる。こんな方法で地球を救えるはずがない」と、多くの批判コメントが寄せられている。
アメリカの俳優であるトラヴィス・ウェスターも反応し、「食べ物で注意を引きたいなら、今度はそれを貧しい人々のために使うことをすすめる」と戒めた。
■「金持ちの主張」と揶揄する人々
アニマル・レべリオンは、過去にもさまざまスーパーマーケットの乳製品の売り場の前で、集団になって座り込むなどの騒ぎを起こしたことがある。
欧米では日本に比べてビーガンの数が多く、肉や卵を使わない料理を提供するレストランも豊富に存在する。しかしながら、野菜や大豆ミートを食べる生活は、通常の食生活に比べてコストがかかることから、「ビーガンは金持ちの主張」と揶揄されることもある。
今回のアニマル・レべリオンの暴動でも、牛乳を無駄にしたことで貧困層を引き合いに出して非難する人が多く見られ、ビーガンとそうでない人々の溝がより深まってしまったと言えるだろう。