鼻血を流しながらニュースを読み続けたキャスター プロ意識か解雇を恐れてか…
職場のパワハラ体質に関する話題が、アジア諸国ではまだまだ多い。
このたび中国のあるニュース番組で、生放送中の男性キャスターにちょっとした悲劇が起こった。彼のとった行動に「社会の闇を感じる」と指摘する人が多いことを、イギリスの『The Sun』やオーストラリアの『news.com.au』が報じている。
■生放送開始直後に鼻血
アクシデントは11日、中国・蘇州テレビ(蘇州広播電視総台)のとあるニュース番組で起きた。生放送が開始するやいなや、ホワン・シンキさんという男性ニュースキャスターの鼻から出血が見られたのだ。
血は口元から顎まで流れ、本人も鼻血が出ていることをおそらく自覚していただろう。にもかかわらず、ホワンさんは何事もなかったかのように話し続けた。
■「番組を終わらせないと」
隣に座っている女性ニュースキャスターが話す番になっても、カメラはホワンさんを映したまま。なんと番組が終了するまで、その場を動かなかった。
翌日の放送で、ホワンさんは不快な状況があったことを謝罪し、「とにかく番組をきちんと終わらせなければ、という思いからでした」と釈明。お茶の間からは、鼻血が出ても助けを求められなかったホワンさんへの心配の声が相次いだ。
■「プロ意識」か「社会の闇」か
さらに世間からは「ホワンさんは悪くない。そのプロ意識を尊敬する」という声があがり、「社会の闇を感じる」「女性キャスターの番になっても、鼻血が出てる彼を映すなんて」と、番組としてのモラルの低さに対する批判の声も少なくなかった。
また、「パワハラが横行しているのでは」「解雇を恐れてそうなったのでは」と勘繰る声も相次ぎ、炎上する事態となった。
■2018年には韓国でも
同様のアクシデントは、2018年に韓国でも発生していた。あるスポーツ番組で、記者のジョ・ヒョンイルさんが鼻からひどく出血しているにもかかわらず、最後まで出演して賛否両論を巻き起こした。
「プロフェッショナルだ」という意見があがった一方で、「誰にも助けを求められないなんて」「過労が疑われる」と職場としての闇を指摘する声が多く見られた。
日本の職場でも厳しすぎる上下関係、理不尽なノルマといったパワハラが問題となっているが、上司・部下・同僚が助け合える社会であってほしいものだ。
・合わせて読みたい→上島竜兵さん死去で『ラヴィット』生放送が話題 川島明の「覚悟」に反響
(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)