ロシア・ウクライナ戦争で拡がる世界的な物価高　各国で治安悪化の恐れも…

ロシアによるウクライナ侵攻から4ヶ月となるなか、欧米とロシアによる制裁報復合戦が後を絶たない。

関連記事:太田光＆杉村太蔵、ウクライナ側に立つムードに異論　「徹底的に中立で」

■ロシアへの制裁発動

米国のバイデン政権は先月27日、ロシアへの追加制裁として、ロシア産の鉄鋼やアルミ、木材など570品目への関税を現行から35％引き上げることを決定した。今後も米国は制裁発動を続けるだろう。

一方、プーチン政権は欧米主導の制裁措置には屈しない姿勢を内外に示し、中国やイラン、インドやブラジルなど他の国々との経済貿易関係の維持・拡大に乗り出している。

プーチン大統領は同27日、ブラジルのボルソナロ大統領と電話会談し、エネルギーや農業の分野で関係を強化していくことを確認した。ブラジルも中国同様、ロシアを非難せず、制裁を課さないポジションを維持している。今後とも大国間の対立は収まることはないだろう。

関連記事:茂木健一郎氏、ロシアへの経済制裁に持論　「戦争を防止することにならない」

■価格高騰で生活が脅かされる事態に

だが、世界に目を向ければ、ロシア・ウクライナ戦争による影響は物価高という形で諸外国の市民たちの生活を脅かしている。

南米のペルーやインド洋に浮かぶスリランカ、中東のイラクなど各国ではガソリンや小麦など生活必需品の価格が短期間のうちに急騰し、それに不満を爆発させた市民による抗議デモや暴動が相次いだ。

デモ隊による放火や商店への襲撃・略奪などがみられ、治安部隊と衝突するなどして死傷者が出る事態となった。それによって公共交通機関が麻痺し、政府が非常事態宣言を出す途上国も少なくなかった。