武装しおむつを付けたサルの遺体発見 犯罪組織に権力誇示のため飼われた末路
サルの他にも街を徘徊するトラの姿も…。メキシコでは、犯罪組織がエキゾチックアニマルを飼うことが多いという。
メキシコの麻薬密売人には、ワニやサルといったエキゾチックアニマルが人気だ。マスコットとして銃撃戦に参加することもあれば、拷問や殺人に使用されることもあるという。
メキシコで起こった警察と麻薬組織の銃撃戦で、防弾チョッキを着た小さな猿の死体が発見されたと、『CBS NEWS』や『COMPLEX』などの海外メディアが報じた。
■防弾チョッキを着たサル
14日にメキシコのテスカルティトランで起こった警察との銃撃戦で、11人の麻薬組織のメンバーが死亡した。
現場で撮影された写真には、迷彩服のジャケットと防弾ベスト、さらにおむつまで身に着けた小さな猿が、飼い主と思われる男の遺体にまたがり横たわっている姿が写っていた。男性は銃に撃たれて死亡したが、サルの死因は不明で、獣医師による検視が行われる予定だという。
銃撃戦から生還した人のなかには、男性5人と女性3人、そして15歳未満の未成年者が含まれており、いずれも身柄を拘束された。彼らは最終的に、動物売買の罪に問われる可能性がある。
■麻薬組織のペットに
メキシコの法律では、決められた条件下であれば、民間人がエキゾチックアニマルを飼育することが認められている。
しかし、民間人が単に癒やしや愛の対象にするのではなく、犯罪者が飼育許可を取得することがあるという。メキシコの麻薬密売人の間でエキゾチックアニマルは、地位や権力を誇示し、「大物」の輪に入るための必要条件として大きな役割を果たしてきたのだ。
■トラが街を徘徊
防弾チョッキを着たサルの死体が見つかった次の日、メキシコの別の州ではベンガルドラが街を徘徊し、パニックを引き起こした。
体を拘束する器具をつけず、悠々と街を歩く1匹のベンガルドラの姿をとらえた動画が、SNSに投稿された。動画内では、住宅街の路上で遭遇した若い女性が、悲鳴をあげる様子も確認できる。
その後、男性が慣れた様子でトラに近づき、ロープを首にかけて立ち去る一連も映し出されていた。
■拷問や殺害の道具にも利用
エキゾチックアニマルたちは、時に残酷に利用される。大きく名が知れているような麻薬組織では、敵を拷問したり殺害する道具として、トラやワニを飼っているケースがあるという。
国立統計地理情報院(INEGI)によれば、メキシコでは2021年に年間3万件以上の殺人が報告されている。その膨大な殺人のなかには、ワニやトラなどのエキゾチックアニマルによるものも含まれていると考えられる。
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(文/Sirabee 編集部・広江おと)