コロナ給付金「風俗業排除は合憲」判決 原告側は「不健全なのは東京地裁」
国側が主張した「性風俗産業は本質的に不健全」との国会答弁がツイッタートレンド入りするも…。
■「不健全なのは東京地裁」
閉廷直後、原告側弁護団は地裁前で短い会見に応じた。弁護団長を務める平裕介弁護士は、「不健全なのは東京地裁」と判決を厳しく批判している。原告側は東京高裁に即日控訴した。
1999年からSWASH代表を務め、性産業で働く人たちの支援や人権擁護活動に取り組んできた要友紀子氏は、「判決への期待は五分五分だった」と語る。
岡田裁判長は行政訴訟で国よりの判決を出す傾向がある一方で、2020年に2020年に助成金不支給が「職業差別」として問題となり、後に撤回された際のうねりや「性風俗産業は不健全」との答弁がツイッターでトレンド入りするなど、世間の共感に手応えを感じていたためだ。
■要氏「職業差別許されない」
要氏は、「世論も無視して、また実態を見ることもなしに、データも根拠もなく、ただ『不健全』『いかがわしい』などという理由で職業差別していいはずがない」と切り捨てる。
要氏は、性産業で働く現場の人たちの声を国会に届けるとして、今回の参院選に立憲民主党から全国比例区で立候補。岐阜や熊本など各地の風俗街にも足を運んでいる。
■司法だけでなく立法の課題も
セックスワーカーや性産業をバックに国政政党から国会議員として立候補するのは、要氏が初。支援者や働く女性たちなども、選挙に関わるのが初めての人が多く、「手探りで何ができるだろう、と毎日みなさんと話している」と語る。
今回の裁判では届かなかった性風俗産業からの声。司法が過去の国会答弁を盾に「性風俗産業は不健全」と判断するのであれば、立法府である国会がまず変わらなければ、コロナ禍が直撃した立場の弱い人たちが差別から救われることは難しいかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)