理解が進まない参院選の比例代表システム 「政党名で投票」が8割も
参院選の比例代表は衆院選と全く異なる仕組み。「政党名で投票」のデメリットは…。
22日に公示され、7月10日に投開票が行われる第26回参議院議員通常選挙。繁華街の街頭には日々多くの候補者が立って演説を行い、選挙カーも走り回っている。
国会議員の選挙は、現在は衆院・参院とも選挙区と比例代表を組み合わせた仕組みとなっているが、衆院選と参院選の比例代表は、大きく異なる制度なのだ。
■参院選は「非拘束名簿式」
衆院選の比例代表は「拘束名簿式」というもの。これは、政党側があらかじめ名簿順位を決めておき、党派ごとの得票数に合わせて名簿の上位から順に当選となる。この制度では、投票用紙に候補者名を書くと無効となり、政党名だけが認められる。
ところが、参院選の比例代表は、2001年の第19回通常選挙から制度が変わり、「非拘束名簿式」という仕組みが採用された。有権者は「政党名」「候補者名」のどちらを書いても投票することができるが、当選者は「個人の得票数が多い順」に決められる。
■制度理解は進まず
参院選の選挙活動で、比例代表の候補者が「比例の投票用紙には○○と私の名前を書いてください!」とアピールしているのは、こうした理由からなのだ。
しかし、導入から20年以上たったこの制度は、同じ比例区なのに衆参で仕組みが異なることもあってか、なかなか浸透していないようだ。