インドの大気汚染は国民の寿命を奪うレベル 首都は「タバコを吸い続けている」状態
インドの首都デリーの住民は、常にタバコを吸っている状態。深刻な大気汚染にどう取り組むかが、最大の課題だ。
シカゴ大学のエネルギー政策研究所によると、インドの大気汚染は深刻で、世界保健機関(WHO)のガイドラインに従わないと、インド国民は平均5年の寿命を失うことになるという。現地メディア『NDTV』で報道された。
■デリーの大気汚染はひどい
WHOの昨年の新しいガイドラインによると、大気汚染物質である微小粒子状物質PM2.5の年間平均濃度は、1立方メートルあたり5マイクログラムを超えてはいけないことになっている。
世界で最も汚染された都市であるデリーは、年間平均PM2.5レベルが1立方メートルあたり107マイクログラムを超えており、ガイドラインの21倍以上である。
デリーの住民は、現在の大気汚染により10年の寿命を失うことになるという。
■大気汚染危険レベルで生活
2013年以来、世界で汚染が増加している国の約44%はインドが占めている。粒子汚染レベルは1立方メートルあたり53マイクログラムから、1立方メートルあたり56マイクログラムに増加した。これはWHOガイドラインの約11倍である。
この調査によりインドでの大気汚染の増加は、過去20年間の工業化、経済発展、人口増加によるものであり、エネルギー需要と化石燃料の使用が急増しているためであると言われる。
インドの約13億人の人々は、年間平均粒子汚染レベルがガイドラインを超える地域に住んでいる。特にひどいガンジス川平野に住む人口63%以上が、1立方メートルあたり40マイクログラムを超える地域に住んでいると報告された。
しかし、今からでも大気汚染が改善されれば、平均寿命はウッタルプラデッシュ州で8.2年、ビハール州で7.9年、ベンガル州で5.9年、ラジャスタン州で4.8年長くなる可能性があるとのことだ。