水泳界に突如現れた最強トランスジェンダー選手 国際水連は「女性選手と認めず」

「完全に禁止ではない、制限する」という国際水泳連盟。どういうことなのだろうか。

プール

今年3月、アメリカの大学の水泳部に所属する選手が、大変な記録とともに全米大学水泳選手権でチャンピオンの座についた。

彼女がトランスジェンダーであったことから、公平性その他の点で物議を醸していたが、この話題に大きな進展があった模様だ。『 SKY NEWS』『The Guardian』などが報じている。


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■圧倒的な強さで優勝

話題になっているのは、ペンシルベニア大学水泳部のリア・トーマス選手。今年3月17日、ジョージア州アトランタで開催された全米大学体育協会(National Collegiate Athletic Association略称:NCAA)主催の水泳競技大会に出場し、500ヤード(457.2メートル)の女子自由形を圧倒的な強さで制した。

トランスジェンダー選手がこの大会で優勝したのは、初めてのことだという。

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■昨年から女子水泳部に

トランスジェンダーとして女性の部に出場したトーマス選手だが、体は非常に大きく、腕の長さや手の大きさ、そして体力の差は歴然としていた。

「自分はあくまでも女性」と訴えるトーマス選手だが、以前は男子水泳部に所属し、ホルモン治療などを経て昨年から女子水泳部に。更衣室やシャワーでは裸になることも多く、ほかの選手たちの心情面でも、やや難しい問題を抱えていた模様だ。

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■禁止ではなく制限へ

そして今月19日、国際水泳連盟(FINA)はハンガリーのブダペストで総会を開催。トーマス選手のような選手に関し、「男から女に性転換したトランスジェンダーの場合、女子競技への参加は制限される」という指針を新たに打ち出した。

認可においては、性転換したときの二次性徴の状況が考慮される。思春期の男の子の体では男性器の発達や陰毛の発生が起きるが、成熟度を5段階で示した「タナーの分類」の第2段階に至る前、あるいは満12歳より前に性転換していた場合は、女子選手としての出場が認められるという。


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■7割が新しい指針に賛成

この指針についての投票では、152の加盟国のうち71.5%が「賛成」を示し、20日より施行されることが決まった。ツイッターでは大勢の女子選手から「競技の基盤は公平性だ」「不公平ではスポーツの意味がない」といった声が多数上がっている。

もしも今後、トーマス選手が女子として出場を希望する場合、「思春期に男子としての二次性徴を経験していない」ことを証明する必要があるとのことだ。

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(文/Sirabee 編集部・浅野 ナオミ

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